内容説明
芸術からサブカルチャーまで、英米文化の底流には中世主義が脈々と流れている。中世主義を考えるということは、「中世」概念の再検討を通じて、アカデミックな中世研究のありようをも根本的に問い直し、中世研究の未来を切り拓くことにつながる―中世とは何かを問うアカデミックな論考集。
目次
ブロセリアンド巡礼―「魔法の森」とケルティシズム
ヴィジョンからアレゴリーへ―死後世界の断片化と中世の終わり
運命の車輪は止まれるか―ソーントン写本における中英語作品『アーサーのワズリン湖奇譚』再考
トリストラムの「十字架」と写字生の「無駄線」―マロリーの『アーサー王の死』の本文批評再考
印刷本を綴じる―イギリス初期印刷文化と合冊本としての『農業の書』
ゴシック・リヴァイヴァルとゴシック・サヴァイヴァル―ジャコビアン・ゴシック様式の大学建築をめぐって
アイルランド併合とゲールの伝統―スウィフトからエッジワースへ
ブラックフライアーズ・ブリッジにかけた夢―一八世紀イギリスにおける歴史認識と生活感覚、そして文書文化の諸ジャンル
中世イタリア共和主義―メアリー・シェリーの『ヴァルパーガ』とブラウニングの『ソルデロ』を巡って
アメリカのシャロット姫たち―一九世紀半ばから二〇世紀半ばの米国女性作家とアーサー王物語〔ほか〕
著者等紹介
松田隆美[マツダタカミ]
慶應義塾大学文学部教授
原田範行[ハラダノリユキ]
杏林大学外国語学部教授
高橋勇[タカハシイサム]
慶應義塾大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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