出版社内容情報
その誕生から、アウシュヴィッツでの両親の死、豊かな文学的交友と裏腹のいわれなき誹謗中傷、そして、やがて訪れるセーヌ川での最期まで。栄光と奈落の間に生きた激動の半世紀を、新資料を含む一次資料や、ツェランの知人・友人へのインタヴュー成果を交えて精巧に描いた初の本格評伝。
内容説明
戦後ヨーロッパを代表するドイツ系ユダヤ人の詩人、パウル・ツェラン(Paul Celan,1920~70)。多民族・多言語が往来する東欧の都市チェルノヴィッツでの誕生から、強制収容所での両親の死、豊かな文学的交友と裏腹のいわれなき誹謗中傷、そして、やがて訪れるセーヌ川での最期まで―。栄光と奈落の間に生きた激動の半世紀を、新資料を含む一次資料や、ツェランの知人・友人へのインタヴュー成果を交えて精巧に描いた初の本格評伝。
目次
プロローグ―チェルノヴィッツ、人間と書物が生きていた土地
カスターニエンの樹々の向こうには世界がある―幼年時代(一九二〇~三〇)
成長―初めての詩作(一九三〇~三八)
黒い雪片―母に届けられなかった手紙(一九三九~四四)
死のフーガ―ブカレストでの青春(一九四五~四七)
鏡の中は日曜日―古都ウィーンに燃える恋(一九四七~四八)
グラスの中の停泊地―パリ初期(一九四八~五二)
慰めようとしない輝き―新しい死、新しい誕生(一九五三~五七)
あらゆるあなたの悲しみの上に―栄光と奈落のあいだで(一九五八~六〇年)
盲目へと説き伏せられて―崩壊の予兆(一九六一~六三)
息の結晶―妻との共同作業(一九六四~六六)
心の中に来るべき言葉を期待して―ハイデガーとの邂逅と五月革命(一九六七~六八)
言え、エルサレムはあると―最後の日々(一九六九~七〇)
著者等紹介
関口裕昭[セキグチヒロアキ]
1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。この間、ゲッティンゲン大学に留学。愛知県立芸術大学准教授。専攻は、近現代ドイツ抒情詩、ドイツ・ユダヤ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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