出版社内容情報
山野河海の、在りし日の名勝の美しさを、古典に謳われた多数の歌や写真、図版とともに紹介しつつ、現在の惨憺たる乱開発の状況を重ね合わせ、環境行政のあり方に警鐘を鳴らす。「新編 日本古典文学全集」(小学館)の月報に連載された「失われゆく景観」をもとに書籍化。
内容説明
自然景観や歴史的景観を壊すか残すかという問題は、単に環境問題の領域にとどまるものではない。私たちがどのような風景や景観の中で暮らすかという問いは、私たちの生活の質そのものにまで及んでいるのである。本書では、山野河海の、在りし日の名勝の美しさを、古典に謳われた多数の歌や写真、図版とともに紹介しつつ、現在の惨憺たる乱開発の状況を重ね合わせ、理念なき環境行政のあり方に警鐘を鳴らす。
目次
第1章 美しかった日本、壊れゆく日本(風景はいかにしてつくられたか;歴史的景観の成立;歴史的景観の破壊)
第2章 破壊された景観(海浜;山野;湖水と川;都市と生活)
著者等紹介
川村晃生[カワムラテルオ]
慶應義塾大学文学部教授。日本文学、環境人文学。1946年生まれ
浅見和彦[アサミカズヒコ]
成蹊大学文学部教授。日本文学、環境日本学、地域文化論。1947年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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半木 糺
2
戦後の日本がいかに経済政策ばかりを追い求めて、景観や環境を壊してきたかを記している。目に見える建築物だけでなく、大合併の裏で消え去っていく地名や、騒がしすぎるあまり静寂さを失った京都駅の現状など、その問題意識は多岐に渡る。全力をあげて、これらの景観・環境の保全と復興に取り組まなければならない。京都に住んでいる者として、痛切にそう感じた。2014/04/26
未読太郎
0
文学者からみた景観考察であり、歌や文学作品からの引用も多い。 地元・碓氷峠が唱歌「紅葉」の舞台とは知らなかったよ。 予定調和な文明批判的文章が終始続き飽き飽きする。 砂防ダムで砂州が消える問題は、消滅可能性都市が勝手に消滅すれば おのずと解決する問題であるような気がしてきた。 2015/01/11
メルセ・ひすい
0
8-26 赤86 和歌対比 全国、写真多い 仏蘭西礼賛!⇒植民地主義の国と一緒にならない。数百年アフリカ・アジアの生き血を啜り続けて来た国力と戦敗国と一緒にナラナイ!見識を疑う!日本の山野河海の、在りし日の名勝の美しさを、古典に謳われた多数の歌や写真、図版とともに紹介しつつ、現在の惨憺たる乱開発の状況を重ね合わせ、理念なき環境行政のあり方に警鐘を鳴らす。言いっぱなし、書きっぱなし??でなく・・積極的な活動の先頭に・・! 2007/03/05