出版社内容情報
マックス・ヴェーバーに傾倒し、後にライバルとなるハイデッガーの盟友、アーレントの師でもある文字通り「知の巨人」にもかかわらず、近年は顧みられることが少なかったカール・ヤスパース。
「世界哲学」の嚆矢とも言うべき彼の哲学が再注目されるなか、その思想の核心を理解するうえでの重要書を初翻訳。
【附】「聖書宗教について」と訳者による「ヤスパースのひとと思想」
本書は、それ自体としては、「世界哲学」についてのものではない。しかし、そのような「世界哲学的な観点からの」キリスト教批判と理解することもできる。と同時に、哲学的信仰論は、キリスト教や、ユダヤ教、イスラムと同一ではないが、それらを包括している聖書宗教から、キリスト教を捉え直し活し直す試みでもある。(訳者あとがきより)
内容説明
マックス・ヴェーバーに傾倒し、後にライバルとなったハイデッガーの盟友、アーレントの師でもある文字通り「知の巨人」にもかかわらず、近年は顧みられることが少なかったカール・ヤスパース。「世界哲学」の嚆矢とも言うべき彼の哲学が再注目されるなか、その思想の核心を理解するうえでの重要書を初翻訳。
目次
第1章 理性と信仰の旧来の対立は、本質的なものをもはやとらえない(啓示信仰の思考における状況;自然理性とは何かという問い;キリスト教とは何かという問い;理性と信仰(哲学と神学)の区別の史実的な回想
科学、哲学、神学
暗号の王国の純粋性を求める争い
暗号の様々な様態
暗号の王国における争い
啓示信仰の尊重、―しかし、様々な条件のもとで)
付録1 カール・ヤスパース「聖書宗教について」
付録2 岡田聡「カール・ヤスパースのひとと思想」
著者等紹介
ヤスパース,カール[ヤスパース,カール] [Jaspers,Karl]
ドイツの精神医学者、哲学者。1883年生。長じて精神医学を修めて、ハイデルベルク大学で1908年に博士学位、1913年に教授資格を取得。1922年、哲学部正教授に就任。妻がユダヤ系のため、1937年、ナチスにより強制退職。1938年出版禁止。戦後の1945年復職。1948年、スイス、バーゼル大学に転じ、1961年定年退官。1969年没
岡田聡[オカダサトシ]
1981年生。鎌倉女子大学講師。駿台予備学校出身。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学助手、トリア大学留学、日本学術振興会特別研究員PD、立教大学兼任講師などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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