近代フランスの誘惑―物語・表象・オリエント

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  • サイズ B6判/ページ数 248,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766412895
  • NDC分類 235.06
  • Cコード C1022

内容説明

本書は近代フランス、より正確には十九世紀から二十世紀初頭に至るまでのフランスの文学、メディア、芸術、社会を対象にした論考を集成したものである。

目次

第1部 文学を読み解く(欲望と蕩尽の物語―バルザック『あら皮』を読む;諷刺の美学―フローベール『紋切型辞典』の射程;オリエントの誘惑―マクシム・デュ・カン、フローベールと東方旅行記の系譜;大衆小説の射程―ウージェーヌ・シュー作『パリの秘密』をめぐって ほか)
第2部 近代を遊歩する(犯罪はどのように語られてきたか;写真と東方紀行―マクシム・デュ・カンの場合;ベル・エポックの残像―ウージェーヌ・アジェとその時代;彫刻家ロダンはいかにして創られたか)

著者等紹介

小倉孝誠[オグラコウセイ]
1956年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。パリ第4大学文学博士。慶應義塾大学文学部教授。専門は、近代フランスの文学と文化史。特に歴史、身体、病理、ジェンダーなどを手掛かりに、19世紀の文学、芸術、社会、思想を総合的に読み解いている。また、回想録、自伝、日記など、自己を語るエクリチュールの体系的な研究をめざしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nranjen

6
論文を集めたものなので、まとまっているようなまとまっていないような印象はあるけれど、文章をまとめるのが素晴らしく上手いのでまとめられてしまうというところが著者の凄腕なところだと思う。各章(それぞれの論文)を教科書のように読んだ。引用されている文献も素晴らしく、読むべきだと思った。2020/04/01

ラウリスタ~

6
統一のテーマがあるわけではない論文集。特筆すべき点としては、筆者の専門分野ではない、写真やオリエントというテーマに取り組んでいること(フランス語を解しない専門家、一般読者向けに、フランス文学専門家が紹介的に論文を書いたということか)。犯罪と新聞の章が面白い。カナール(鴨)という瓦版が扇情的に犯罪を報道し民衆は新聞ではなくそちらを読む。格安新聞『プチ・ジュルナル』は1860年代に、犯罪の物語と報道で部数増加。1869年、トロップマン事件、パリ北郊パンタンが犯罪の聖地巡礼地になる。2019/07/25

seu

2
19世紀フランスをテーマとする著者の論文集。 どの論文も、文学作品を通じて19世紀フランスという時代と社会を読み解く、時代と社会に関する知識を用いて文学作品の構造と意義を読み解くという相互の動きが考察の基礎をなしているため、バルザックやフローベール、ゾラの作品の文化史的背景への理解を深めたい人にも、19世紀フランスという時代そのものに関心がある人にも薦めたい。当時の新聞やゴシップ記事における犯罪の語り、同時代人における「オリエント」やテクノロジーの表象などと文学との連関を分かりやすく解説してくれる。2025/03/06

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