内容説明
仮名垣魯文は開化期の庶民の生態を表面的に描いただけの戯作者ではない。魯文が最も得意であったのは新聞人として活動した時代であった。自由民権運動の全国的高揚によって特徴付けられる、この時代における魯文とその門弟の活動実態を論考と資料によって明らかにし、文壇史・文学史に位置づけた一書。
目次
第1部(仮名垣魯文と林正明;反新聞紙悪徳論―仮名垣魯文達から見た西南戦争;毒婦物の法廷―『鳥追阿松海上新話』と『高橋阿伝夜刃譚』;『相州奇談真土迺月畳之松蔭』試論―近代日本出発期の一側面;時事文学の政治小説化―中島市平編『民権泰斗板垣君近世紀聞』の成立をめぐって;魯文、社長を辞す―明治一五年の文壇;戯作者の自由党時代―ふたりの魯文門下;二世花笠文京―近代小説誕生期の文学活動について)
第2部(魯文西遊―明治一五年、関西への旅;「いろは新聞」仮名垣魯文関係記事稿)
著者等紹介
松原真[マツバラマコト]
1978年、島根県生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員。専攻は日本近代文学(特に明治文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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