内容説明
「大政奉還」を最初に唱えた男。江戸城無血開城の真の立役者。落日の徳川幕府と、運命を共にした最後の忠臣の生涯。
目次
第1章 幕末の旗本からしか生まれなかった逸材・大久保一翁
第2章 エリート旗本・一翁と下級旗本・海舟の運命的出会い
第3章 左遷と登用を繰り返す流転の人生
第4章 驚くべき先見性 一翁の「大開国論」とは
第5章 「幕府内で話せる者は一翁・海舟のほかになし」
第6章 一翁と海舟とで成った「江戸城無血開城」
第7章 明治維新後の一翁
著者等紹介
古川愛哲[フルカワアイテツ]
1949年、神奈川県に生まれる。日本大学芸術学部映画学科で映画理論を専攻。放送作家を経て『やじうま大百科』(角川文庫)で雑学家に。「万年書生」と称し、東西の歴史や民俗学をはじめとする人文科学から科学技術史まで、幅広い好奇心を持ちながら「人間とは何か」を追求。また、世界の映画大学とも言える「国際学生映画祭」の創設にも加わり、新しい視点から芸術をバックアップ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
17
幕末の幕臣で、気になっていた人物の本が読めました。 幕府の幕引きを担ったと言えば、勝海舟とくるが、出自からすると身分が低過ぎて、活躍の場が得られるはずもない。 海舟によれば、海防への建白が認められて、とのことだが、ここからして大久保一翁が絡んでいるという。 大久保家は、三河以来の直参旗本、幕府中枢が当然の家柄。その一翁が広く人物を求めた中に海舟がいた。ある意味、海舟は一翁の手足となって動いたとも。 維新後、全ての記録を燃やした一翁と続々と著作を綴った海舟。歴史に名を刻むとは、こういう面もある。2015/04/11
猫
2
海舟先生関連の本を読んでいると、必ず名前が出てくる大久保一翁。なんとなく好々爺のイメージがあったけど、実際はなかなかの頑固一徹な「もののふ」だった。見識が広く思考が柔軟、清廉で実直な人柄で、それ故に幕末の揺れる情勢の中で左遷と昇進を繰り返した。豪商に妙に愛された貧乏小普請組の蘭学者勝海舟を表舞台に引き上げ、維新側に「幕府で話が通じるのは一翁と海舟のみ」とまで言われた、江戸城無血開城の立役者。こんなん、惚れるしかないわ。2019/08/18
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