内容説明
人間は人生経験によっていろいろのことを学ぶ。若いころあれほど熱望した金や名誉や性愛が、それほど価値あるものでも感動的なものでもないことを教えられてきます。だから、きらびやかなもののうちにも空しさを感じとるようになります。若者はそれを知りません。人間の成長とは、その空しさを少しずつ理解してゆくことかもしれません。このように、人生を眺める目をもちはじめ、自分の送ってきた歳月を自己自身によびもどし、そして反芻し、数多くの危険や喜びをのりこえてきたことに満足しようとする心の働き、それが老いの訪れです。心のうちこめる「老い」。そして意義と価値のある人生の「老い」とはいったいどのようなものなのでしょうか。いろいろな老い方、努力の姿を、多様な「老人のタイプ」のなかに見てみましょう。
目次
プロローグ 老いることとは
第1章 12とおりの老人(愛され尊敬される老人;嫌われる老人 ほか)
第2章 老年こそ人生の達人(老いが運びこむ魅力;長い人生を歩んだ知恵 ほか)
第3章 満ち足りた老後を生きる知恵(広い目は自分を生かす技術をもたらす;こだわらない生き方とは ほか)
エピローグ 老いとは人生の通行儀式にすぎない
著者等紹介
高瀬広居[タカセヒロイ]
1927年、東京・浄土宗寺院に生まれ、1943年、僧侶の資格を得る。早稲田大学卒業後、NHKに入社、その後テレビ朝日のキャスター、ラジオ関東(現ラジオ日本)の常務取締役、放送批評懇談会理事長、拓殖大学理事等を歴任。現在、拓殖大学客員教授。宗教家、評論家として著述、評論活動を展開。講話塾「全国疏石会」主宰(全国6支部、法人会員1,000社)
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