内容説明
美しくも暗い一面を秘めた数々の植物たち。人々を魅了するこれらの植物が、実は毒を内包し、興奮や幻覚を引き起こし、ときに死をももたらすことはあまり知られていないかもしれません。ですがこの植物たちは、実に人の命を脅かす危険をはらみ、魔女の薬棚で珍重され、そして生物多様性においても重要な役割を担っています。チョウセンアサガオ、ベラドンナ、ドクニンジンはもちろん、スズランやジャガイモなど、意外に知られていない有毒植物の生態を探り、その毒から身を守る術を学びつつ、豊かな毒草の世界をのぞいてみましょう。
目次
毒草入門(なぜ毒草についての本を書くのか?;そもそも毒とは?;毒草はミツバチにも毒?;毒草のその他の利点;毒草はどこで手に入る? ほか)
毒草カタログ(ヨウシュトリカブト;ベラドンナ;セイヨウオニシバリ;アラビカコーヒーノキ;イヌサフラン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
91
約20種の毒草を収録。ベラドンナ、トリカブトなど有名な物から身近なコーヒーやタバコ、ジャガイモなども記載されています。色刷りの絵が図鑑の体をなし、装丁も美しく可愛い。簡単なエピソードなどを楽しみます。けれど採取法とか栽培法は如何なものかな?もし魔女志望のかたには物足りなくおすすめ出来ないかも。 時々開いてほくそ笑むのに丁度良いです😅2022/10/12
茜
59
図書館の出入り口に陳列されていた本書を見て厨二心が沸き起こり借りてきました 笑 装丁がキレイで、天、前小口、地の三方に金箔を施してあり、また1ページ1ページの厚さがソフトカバーの表紙並みに厚く、植物などのイラストがレトロっぽい感じでピーターラビットのイラストを想起させて、読むのも楽しかったです。本書には庭栽培の方法なども掲載しており毒草だけの花壇なんか作ってみるのも面白いかもしれません。2023/04/10
あたびー
48
まず装画がふんだんであり、美しさにワクワクします。そして毒草だと言うのに手に入れる方法や栽培の仕方なども出ています。ただしこの本の筆者はドイツ人。なのでこの本に上がっている植物も欧州で見られるものです。魔女がどのようにその植物を使うかなどは興味深いですが、その毒による症状などはあまり詳しくは述べられておらず、もうちょっと教えて欲しいと思いました。また、例えばジャガイモは青くなってしまった部分の毒には触れられていますが、芽の毒については書かれていません。総合的には眺めて楽しいという感じでした。2022/10/01
更紗蝦
37
装丁が凝っていますし、収録されている図版も味があるので、「雰囲気」込みで読み応えのある本です。毒草に特化した「なんちゃって博物学」の本としてはあっさりと読めますが、手に馴染む「紙の本」ならではの、「ページをめくる楽しさ」を満喫できます。基本的に私は、既存本の内容をまとめてストックフォトを活用しまくったビジュアル本はあまり評価しないのですが、これくらいブックデザインが凝っていれば、「コンセプトの勝利」と言えましょう。2023/03/27
mikarin
24
かわいいゴージャスな装丁に惹かれて。毒性のある植物を紹介した本です。魔女の軟膏などに用いられたとされる植物たち。こういう昔の薬草書みたいな本を読むのが好きです。その昔は正しいと信じられていたことでも割と荒唐無稽。ですが大事なのは人はつい最近まで(19世紀とか)そういうあいまいな情報を頼りに生きてきたということ。思えばずっと科学的になってるはずの21世紀の私たちが効いてるのかさっぱり分からないサプリメントやら痩せる食べ物やらに夢中になっているほうが不思議かも。2024/07/03