感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
50
朝鮮戦争の頃のニューヨークでの事ですが、孤児院でのシスターの暴力に唖然とし、小説だから誇張されていると思い込んでいました。が、訳者あとがきを読んで実話と知りました。シスターは聖職者では？子供のうっかりした粗相に、残酷な暴力と辱めを与えるなんて。ジェニングズがひねくれもせず、人としての優しさを持った人々と巡り会えたのが何よりでした。読んだ後は顔が変わってしまうほど泣きました。著者本人の実話で、彼の本がベストセラーになったのも嬉しいです。幼い頃に辛い思いをしたので、これからは幸せでいて欲しいです。2016/07/17
消しゴム
8
実はこの本は、25年前に読んだことがあります。涙が止まらなかった。だから、図書館でこの本を見つけたとき、とても嬉しかった。懐かしさと刹那さと何とも言えない感情が甦りました。小説ではなく、実話であることにかなりショックを受けました。1952年あれから、養護施設の実状は改善されたのでしょうか？ドギーの挿絵を書いていたのが、藤城清治氏。新たな発見でした。アルコールに病気、貧困。施設内虐待。問題ばかりだけど、主人公が色々な経験を通し困難に負けず成長していく姿は素晴らしかった。でも、しなくてもいい苦労だったかな。2018/03/03
seraphim
8
家庭の事情で施設を転々とすることになった少年ジェニングズが、本当の友情をもとめてさまようノンフィクション。愛情が不足している子供の姿は、寂しく悲しい。でもジェニングズは、他人の気持ちや痛みを想像し思いやれる力がある。どんなに辛くても辛抱し、まっすぐ生きていく。だからこそ、ついには友達を得ることができたのだ。私がもし、彼と同じような境遇だったら、すぐに人生を諦めてしまっただろう。ジェニングズは本当にかっこいい。この物語はジェニングズの視点から語られているからか、ノンフィクションが苦手な私でも面白く読めた。2013/06/12
ささら
5
世の中の非常さはよくわかっている。けれど最後に幸福を手に入れるのは、誰かを愛したいと願い続ける人々であって欲しい。2010/09/27
betty
4
読み始めてすぐに、なんてことだ！と驚いた。それから最後まで読み終えるまでに、何度泣いたか。とにかく、この著者がたくましく今も生きていることを願うし、少なくともこの少年の物語は私の心の中で生き続ける。絶対死なせない。2012/06/28
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- 和書
- 連射王 〈上〉
