出版社内容情報
《内容》 内視鏡を用いて後方進入で椎弓間隙から脊柱管内に侵入するMED法は椎間板内圧の減少による間接的な除圧ではなく、圧迫された神経根の除圧ができる確実性の高い方法である。また手技に習熟すればその適応も広く、中心性ヘルニアや最外側ヘルニアのみならず、脊柱管狭窄症や頚椎症の除圧操作が十分行える利点がある。しかし、この手術は決してやさしい手術ではない。少なからず pitfall & trick が存在する。この手術法のパイオニアによる本書は、美麗な術中写真や多くの画像を用いてそれらに懇切に対処し、斯界で初めてその手術の全貌を紹介するものである。今年度から日本整形外科学会公認の脊椎内視鏡技術認定制度が始まった。受講者には必須の書である。
《目次》
1章 序 論
1. 内視鏡下で使用する手術器具
2. 内視鏡下で撮影されるデジタル画像収録
3. 腰椎内視鏡進入に必要な解剖
2章 腰椎椎間板ヘルニア摘出術
1. 手術の体位と手術風景
2. 手技の実際
3. 手術適応
4. 手術が困難な症例
5. 後療法
6. 腰椎椎間板ヘルニア摘出術症例
1 腰椎椎間板再発ヘルニア
2 神経根奇形合併
3 尾側脱出移動ヘルニア
4 腰椎椎間板正中ヘルニア
5 ヘルニア反対側神経症状発現例
6 経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD )術後回復不良例
7 腰椎椎間板最外側ヘルニア(FLLDH) L3-4
8 腰椎椎間板最外側ヘルニア(FLLDH) L5-S1
9 上位腰椎椎間板ヘルニア L2-3椎間板ヘルニア
10 硬膜管背側脱出ヘルニア
11 椎体後方終板障害
12 2椎間椎間板ヘルニア
3章 合併症とその対策
1. 進入期の問題
2.手術手技上の問題
3.術後の問題
4章 腰部脊柱管狭窄症手術
1.複数椎間除圧の場合のアプローチ
2.椎間関節の処置
3.各種操作器具の使用についてのコツと注意点
4.腰部脊柱管狭窄症症例
1 単椎間除圧例
2 2椎間除圧例
3 黄色靭帯石灰化症
5章 脊柱管嚢腫病変の手術
1. 嚢腫病変症例
1 椎間関節嚢腫(facet cyst)
2 椎間板嚢腫(discal cyst)
3 黄色靭帯嚢腫
6章 頚部神経根障害の手術
1.手術手技の実際
2.椎間孔拡大術の適応
3.頚部神経根症症例
1 頚椎症性神経根症に対する椎間孔拡大術
2 頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症に対する椎間孔拡大術
7章 頚髄症の手術
1. 頚髄症に対する拡大開窓術、片側拡大椎弓切除術
2. 手術適応
3. 頚髄症症例
1 頚椎症性脊髄症
2 頚椎黄色靭帯石灰化症
[付録] 手術成績/Learning Curve