出版社内容情報
温泉や発電といった地熱資源の利用が環境や社会に与えるメリット・デメリット。当事者間の利害対立を解消・緩和する手法も紹介持続可能エネルギーを目指して!
本書は、2017年度まで総合地球環境学研究所で取り組まれていた「水・エネルギー・食料ネクサス」プロジェクトの別府温泉における研究成果を中心にとりまとめたものである。温泉や発電といった地熱資源の利用が環境や社会に与えるメリット・デメリット、それらから生じるステークホルダー間での利害対立(コンフリクト)を解消・緩和するための手法などを紹介する。
社会科学、自然科学双方の研究者のみならず、ステークホルダーの人々も調査研究や執筆に加わっており、研究における学際・超学際アプローチの実例が示されている。
第1章 水・エネルギー・食料ネクサス
第2章 「水」日本の温泉地・温泉文化
第3章 「エネルギー」地熱発電と熱利用
第4章 「食料」食料・生物・生態系のつながり
第5章 ネクサスにおけるトレードオフ問題の可視化・問題解決手法
馬場 健司[ババ ケンシ]
著・文・その他/編集
増原 直樹[マスハラ ナオキ]
著・文・その他/編集
遠藤 愛子[エンドウ アイコ]
著・文・その他/編集
目次
第1章 水・エネルギー・食料ネクサス(ネクサス・アプローチと統合概念;超学際的アプローチとステークホルダーの関与)
第2章 「水」日本の温泉地における文化・制度と別府温泉の科学的特性(温泉科学と温泉文化;日本における温泉管理制度―「共有地の悲劇」を軸に ほか)
第3章 「エネルギー」地熱資源の発電・熱利用(地熱発電と温泉地との共生―情緒的でなく科学的な視点から;国や県における地熱・温泉発電に関連する制度 ほか)
第4章 「食料」エネルギー・食料・水・生物・生態系のネクサス(再生可能エネルギーと熱のカスケード(多段階)利用
温室イチゴ栽培への温泉熱利用による環境負荷低減 ほか)
第5章 ネクサスにおけるトレードオフ問題の可視化・問題解決手法(水・エネルギー・食料問題に関する参加型アプローチの横断的分析;共同事実確認を促進する超学際的アプローチ ほか)
第6章 おわりに