内容説明
イエスの生涯の最後の三日間について四つの福音書に展開されている物語は、この上なく際立ったものである。互いに似通っていると同時に互いに異なっているこれらの四つの物語は、個人の思い出を記したといった単純なものではなく、また当然のことながら、取り調べ調書といったものでもない。こうした物語が、どこで、いつ、なぜ、そしてどのように作られたかを検討するのが本書である。
目次
第1部 四つの受難物語(マルコ一四章‐一六章、およびマルコ一章‐一三章;マルコ以前のユニットとしてのマルコ一四章‐一六章;マタイにおける受難物語;ルカにおける受難物語;ヨハネにおける受難物語)
第2部 最古のキリスト教的典礼(単なる事実の記録なのか;ミドラッシュなのか;「ケリュグマ」を敷衍したものか;元の受難物語へ向けて;元の受難物語の「生活の座」(Sitz im Leben)
歴史的状況の中の元の受難物語)