内容説明
だれが異端で、だれが正統か?「ある時代が正統とみなすものを別の時代は異端と定める。その逆も真である」―古代から現代まで、キリスト教の歴史に登場した主要な異端思想と正統からの反論を系統的・通史的に描く。近代以降はさながら諸教派、諸宗派の発生と分裂の歴史となる。
目次
異端の教義
ユダヤ人キリスト教徒
グノーシス主義
モンタノス主義
モナルキア主義
アリウス主義
アポリナリオス主義
ネストリオス主義
エウテュケス主義と類似の異端
ペラギウス主義〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彬
8
キリスト教異端史で、原始キリスト教が教義を確立・拡大するのが前半、後半は確立された教義から逸脱し放置すると既存権力が危うくなると判断された<異端>を排除するようになり、それがやがて宗教改革・寛容へと変貌していくさまを描く。この一大宗教はローマ国教となってから世俗権力と共に勢力拡大してきた背景があり、両者の力関係が変わるにせよ切り離せない協力関係にあったのを、理想主義・民族主義などがこの協力関係にひびを入れ、現代は無数の宗派が信者を争い、勢力を拡大するまでに至った。抑圧されるよりは選択肢がある方がよいと思う2014/08/03
ユーディット
3
非常に読みやすい。神学思想が入ってくると、仕方がないと思うがかなり読みにくい本が多くなる中、この本は思想的、歴史的背景が簡潔。著者の登場人物への思い入れも伝わり、非常に気に入った。この人に習いたかったくらいだ。2011/09/06
hanaka
1
図書館から3回借りてやっと読み終わった。理解できているかと問われれば、ハイとは頷けないが、冒頭 異端とは少数者が抱く意見のうち、多数派が許容できないと宣言し、しかも罰する必要があるほど強力なものだ、という主題を通して見る各宗派の概説はストンと腑に落ちるものだった。しかしルターは長年鬱病患ってた割にえらい精力的やったんやなあと。2012/10/08
まさと
0
読むのに一週間以上かかった。あ〜、疲れた!へ(・ω・。へ)2012/04/28