出版社内容情報
戦時に徴用された朝鮮人軍属(3000名)の軌跡を丹念に跡づけ,従来知られていなかった抗日叛乱なども掘り起し,今も変らぬ日本のアジア観を質している。
【目次】
Ⅰ 朝鮮人軍属の誕生
Ⅱ 死の鉄道 飢えの飛行場
Ⅲ アンバラワの抗日叛乱
Ⅳ 異国の戦いが終わった日
内容説明
第二次大戦下、捕虜収容所の監視員として徴用された朝鮮人軍属3000名の軌跡を追い、知られざる抗日叛乱を掘り起す。
目次
1 朝鮮人軍属の誕生(天下った「空の神兵」;「皇軍」の一員へ;野口部隊の猛訓練)
2 死の鉄道、飢えの飛行場(ジャワ俘虜収容所;死の泰緬鉄道)
3 アンバラワの抗日叛乱(虚構の「内鮮一体」;重慶をめざして;高麗独立青年党の結成;血盟党員の結集;逮捕、軍法会議そして8.15)
4 異国の戦いが終った日(在ジャワ朝鮮人民会;戦犯に問われて;オランダの戦犯裁判)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
19
志願とは名ばかりで事実上は徴用され、日本軍軍属としてインドネシアに派遣された朝鮮人は、上官から差別的な侮辱の言葉を日々浴びせられつつ、俘虜の管理という末端の仕事に従事するが、戦局の悪化から独立の日が近いことを感知し、叛乱の謀議をして、革命歌を歌って気焔をあげる。侮辱に耐えかねて上官を殴る者、鉄道工事の苦役から脱走する者もいる。敗戦後は帰国する者もいるが、独立運動に関わって命を落し、インドネシア国から表彰される者、捕虜虐待のかどで逮捕・処刑される者も。そのあらゆる局面において、徴用した日本国の無責任が際立つ2025/09/10
-
- 和書
- 復活祭 文春文庫