内容説明
本書は、明治時代、ニコライとともに生き活動し生涯をかけて正教会のために尽くしながら、その教会においてさえほとんど忘れられてしまった女性たちの、その声を聴こうとする努力である。私たちは「ニコライ堂の女性たち」がどのような人たちであったのかを、彼女たちのその「才能」を、見ようとしているのである。
目次
第1章 エレナ酒井ゑい
第2章 イリナ山下りん
第3章 フェオドラ北川波津
第4章 テクサ酒井澄子
第5章 エレナ瀬沼郁子
第6章 ナデジダ高橋五子
第7章 ワルワラ中井終子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
14
大主教ニコライの下で学んだ7人の女性正教徒の列伝。地味なテーマと思いきや、意外なほど重厚で実りある読み応え。いずれも辛く苦しい運命に見舞われながら、自らの才能と激情に従って生き抜いていく女性たち。こんな人々がいたんだ、という素直な感動を覚える。また、当時の日本正教会はハイレベルな女性教育を施しており、これが彼女らの個性の下支えとなった。日本の女性史に新たな方向から光を投げかける労作。多くの人に読まれてほしい。2024/05/26
大根
1
瀬沼夏葉の章はこれまでの定説を覆す大発見といえる。2009/04/30