出版社内容情報
テレビ番組ディレクターである著者と、S状結腸癌ステージIVと診断された愛妻との4年間の闘病記。話題の死別ブログの書籍化。東日本大震災から約2年半を経た、ある暑い夏の日、何気なく夫婦で受診した市のがん検診。数週間後に届いた結果は、夫がハガキで妻だけが封書??。テレビ番組ディレクターとして忙しく働く菊地氏と愛妻との4年間に及ぶ闘病が、そこから始まりました。
検査の結果はS状結腸癌ステージIV、腹膜播種もあり余命2?3年との宣告が。おしゃれが大好きで、欲しいものなら世界中のサイトを検索して見つけ出すほどの妻「ナオミちゃん」は、あくまでも「絶対によくなる」という強い決意を失わず、大好きな洋服選びにも妥協しないまま、過酷な抗がん剤治療と難易度の高い手術にも耐え続けます。なんでも叶えるスーパーパワー「ナオミパワー」を信じ、夫婦ふたりで遠い街のスーパードクターを訪ねたり、知見の全てを闘病に傾けますが、いくつもの「奇跡」を経ての壮絶な闘病の末、2017年10月5日「ナオミちゃん」はわずか47歳で逝去します。
最後に友人たちと明るく開いたお食事会、仲良しの美容師さんに病室で髪を切ってもらった死の前夜、など、最期まで「ナオミちゃん」は個性の輝きを失わない女性でした。彼女にとっての最高の良薬は、「フガフガ」(楽しくて興奮状態になるとつい出てくる口癖)とネットショッピングを楽しむなど、それまでの生活の質とこだわりを変えないことだったのです。
本書は、その死の翌月から菊地氏が綴り始めたブログ「思い出したら泣いちゃうのに。」が友人たちや読者の間で話題となり、加筆・補正して書籍として刊行することになったものです。辛い別れをテーマにした死別ブログは数多く存在し、広く読まれ著者と読者がメッセージを交換することで見えない癒やしを形成しているジャンルですが、菊地氏の細やかな観察眼とディテール、感情の描写には、ガン闘病の経験者にとって多くの共鳴点が、また闘病には縁がないと思っている若者たちをもそのリアリティに引き込むような力が特に強く備えられています。オールカラーで、筆者自身が撮ったスナップ写真は映画のようなシーケンスで構成され、闘病だけで語り尽くせない彼女自身の魅力を鮮やかに伝えています。
あとがきは、菊地夫妻と親交が深いイラストエッセイストの犬山紙子氏。
「ピッピとコビン」
「その日々の始まり」2013年 夏
「癌の初心者」2013年 秋
「良いことと、良いことと、最悪なこと」2013年 秋~冬
「抗がん剤ガール」2013年 冬~2015年 春
「スーパードクター」2015年 夏
「奇跡じゃねぇ」2015年 秋
「絶対に負けない」2015年 冬~2016年 夏
「我慢の限界」 2016年 秋~2017年 春
「最後のチャンス」2017年 夏
「大丈夫」2017年8月~9月
「最後のプリン」
「その前の日」
「その日」
「寿命」2017年 秋
「あとがき」
菊地貴公[キクチタカヒロ]
著・文・その他
目次
「ピッピとコビン」
「その日々の始まり」2013年夏
「癌の初心者」2013年秋
「良いことと、良いことと、最悪なこと」2013年秋~冬
「抗がん剤ガール」2013年冬~2015年春
「スーパードクター」2015年夏
「奇跡じゃねぇ」2015年秋
「絶対に負けない」2015年冬~2016年夏
「我慢の限界」2016年秋~2017年春
「最後のチャンス」2017年夏
「大丈夫」2017年8月~9月
「最後のプリン」
「その前の日」
「その日」
「寿命」2017年秋
著者等紹介
菊地貴公[キクチタカヒロ]
1965年宮城県生まれ。テレビ番組、CMのプランナー・ディレクターとして活動しながら死別した妻のことをブログ「思い出したら泣いちゃうのに。」に綴っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
たまきら
あお
ぼび
うたかた