内容説明
キリスト教は日本という異教社会の文化や思想とのかかわりにおいて、いろいろの問題を提起してきた。天皇制国家体制の確立にともなって国家主義の圧力を加えられ、あるいは社会問題をとおして社会主義に接触し、戦時下にあっては「日本化」を強要され、戦後には「アメリカニズム」と混同されたりして今日にいたっている。本書は、キリスト教学校教育やYMCA運動などの断面から、近代日本におけるキリスト教が、そのような時代の流れに対応してどのように生きてきたかを明らかにする。
目次
1 日本プロテスタント史序説
2 明治初期のプロテスタント伝道
3 北米日系人社会の「埋もれた過去」―北沢牧師の不敬事件について
4 日清戦争とキリスト教
5 神戸YMCAの再興と日露戦争
6 「市民運動」としてのYMCA―初期YMCA史から学ぶこと
7 近代日本の文化とキリスト教
8 近代日本プロテスタント史と神戸女学院
9 15年戦争と神戸YMCA