内容説明
就職してまもなくカード破産した「僕」。売れないモデル、ミツワの居候となり、主夫のような暮らしをしている。相棒は、声を忘れた落ちこぼれの犬のエンリケ…。都市の片隅で3つの孤独な魂が奏でる切ない不協和音―表題作ほか、全3篇を収録。現代の絶望を、微かにぬくもりを秘めた視線で描く、傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちばと~る
20
若くしてカード破産者となったトモノリと飼い主に置き去りにされたエンリケ。売れないモデルのミツワ宅での退屈な生活。ミツワの強制でトモノリはエンリケを捨てに行く。・・・愛犬家のワタクシにはちょっと辛い内容でしたが何処かハートウォーミング。なかなか良い。2015/03/16
酔拳
9
どうしようもない、だらしのない30男が主人公。 仕事もしないで、モデルのひもになっている。 モデルの女とけんかして、かっている犬をすててきてといわれて、男がすてにいくところが印象にのこりました。2016/05/24
mami
4
◇図書館◇2019/01/04
ゆうき
4
哀愁のある独特の雰囲気が非常に伝わる本。自分に当てはまる環境ではないが少ない登場人物がお互いの関係を軸に進む物語は身近な人間との関係を再考するきっかけになりました。2014/07/29
dynabook77
3
短編連作2本と短編1本 ラストの『バチーダ ジフェレンチ』 別れた夫の知らない姿を友人の女から突然聞かされるという不快感 家電の留守番電話再生が印象的だよね(90年代後半)2025/03/08