内容説明
福音の本質を明確に捉え、日本プロテスタント教会の礎石的存在ともなった植村正久は、日本人の人間観、社会観、歴史観を革新するためにどのような問題提起をしたのか。その女性観、「自我」の確立、罪意識など具体的事例を通して近代思想史上に果した役割を考察する。
目次
1 植村正久の人と思想
2 横浜バンドの女性観―「『日本の花嫁』事件」をめぐって
3 植村正久における新しい「自我」の確立
4 明治プロテスタントの罪意識―植村正久を軸に
5 進化論の受容方法とキリスト教
6 近代科学摂取の三つの道―福沢諭吉、加藤弘之、植村正久を中心に
7 弟子を送りつづけて地方教会を育てる―植村正久と札幌北一条教会
著者等紹介
武田清子[タケダキヨコ]
1917年生まれ。神戸女学院大学部、オリヴェット大学、コロンビア大学、ユニオン神学校に学び、R.ニーバー、P.ティリッヒに師事。文学博士(東京大学)。現国際基督教大学名誉教授。元世界教会協議会(WCC)会長。著書に『人間観の相剋』(弘文堂)、『土着と背教』(新教出版社)、『正統と異端の“あいだ”』(東大出版会)、『天皇観の相剋』(岩波書店)、『日本リベラリズムの稜線』(同)、『戦後デモクラシーの源流』(同)、『峻烈なる洞察と寛容―内村勘蔵をめぐって』(教文堂)、『未来をきり拓く大学』(国際基督教大学出版局)ほか。編著に『思想史の方法と対象』(創文社)、『日本文化のかくれた形』(岩波書店)ほか
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