内容説明
著者は、戦後日本のような混迷と混乱の時代にあっても、神の厳然たる支配(神の国)をそこに確実に見ている。「神の国」の「すでに」への視座、神の支配への著者の静かな揺るぎない信仰こそ、これらの二冊の著作―著者の政治思想―を一貫している縫合の糸である。「信者と不信者の別を問わず、神は全世界を支配しておられる。眼に見えるあらゆる歴史的現実の背後に、神の支配は厳然としてゆるぎなく存在している」(『抵抗と服従の原点』)。これこそ、著者の政治思想の「アルファでありオメガ」にほかならない。同時にこれこそ、来るべき二一世紀における福音伝道、キリスト信徒の生き方、キリストのエクレシアの歩みの原点であろう。
目次
福音信仰の政治性
抵抗と服従の原点