内容説明
啓蒙主義と絶対主義の時代を経て、恐るべき革命が大陸を駆け抜ける。「理性の世紀」から「力の世紀」へ―絢爛たる人物群像を描きつつ近代の光と影に迫る。
目次
第8章 光―啓蒙主義と絶対主義・一六五〇頃‐一七八九年(全体状況;啓蒙思想とロマン主義;西ヨーロッパの動き;中央・東ヨーロッパの動き;ドン・ジョバンニの物語)
第9章 革命―騒乱の大陸・一七七〇頃‐一八一五年(序曲;革命;革命戦争―一七九二‐一八一五年;フォンテーヌブローにて)
第10章 ダイナモ―世界の発電所・一八一五‐一九一四年(近代化;ロマン主義の時代;政治の動き;社会主義・アナーキズム・帝国主義;世紀末の文化;第一次世界大戦へ)
著者等紹介
デイビス,ノーマン[Daives,Norman]
1939年イギリス・ランカシア州ボルトン生まれ。ロンドン大学史学部、スラブ・東欧研究所教授を経て、現在ロンドン大学名誉教授。著作として『God’s Playground:A History of Poland』や『Heart of Europe:A Short History of Poland』、最新刊にイギリス史を扱った『The Isles:A History』がある
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感想・レビュー
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白義
15
光とパワー、この二つがルネサンス後のヨーロッパのキーワードとなる。啓蒙主義という理性の夢想やロマン主義の煌めきを通過し、革命による動乱と力の原理が台頭、そして産業革命と近代化による相次ぐ国家の誕生と、現代にまで続く「ヨーロッパ」の姿が形成されていく。それらは必ずしも当時のヨーロッパ全体を象徴していたわけではない。(絶対主義の時代にもそうでない国はたくさんあった)。だが、それらに含まれた理念や出来事の種子が時間をかけて世界へ広がっていく、そうした精神の歴史にも本書では触れることができる2013/12/15