内容説明
銀行を破綻させたのは誰か。大蔵省・日銀・政治家たちは何をしたのか。バブル崩壊後、金融機関の相次ぐ破綻の中で長銀と日債銀の巨額な不良債権問題を通し、戦後日本を支えてきた政治・経済・社会構造の実態を克明にリポート。
目次
第1章 迷走(企業にも寿命が;客が逃げる;泥沼融資へ ほか)
第2章 崩壊(破綻の幕開け;魔の十一月;屈辱的な条件 ほか)
第3章 暗闇(皇軍の出納係;フィクサー;ちっちゃな政商 ほか)
第4章 立件(副頭取の自殺;腐った肉;隠蔽マニュアル ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
9
特に日債銀の腐敗ぶりがひどい。政界や裏社会の食い物にされた銀行。2018/09/01
amatsukaze
0
一流の銀行とはいえ、背後にあった政治家や裏社会との関係が崩壊を加速させた。2012/09/01
hironob
0
長銀、日債銀の破綻を描いたルポ。長銀は戦後の資金不足を補うために、金融債による資金調達、融資を行うための銀行であり、日債銀は戦前の朝鮮銀行の系譜をつぐ特殊な銀行だった。 共に高度経済成長期は一定の役割を果たしていたが、市場の成熟、金融緩和、企業による直接資金調達が可能になってくると、存在意義がなくなり、投資銀行などへの転換は測ろうとしたが、バブルの流れに乗って安易に不動産投資へ傾倒し、バブル崩壊と一緒にはじけて消えましたとさ、といった内容。両行の歴史、背景も含めてコンパクトにまとまっていておもしろかった。2019/05/20
kota
0
貸倒引当金を約1,500億円過少計上し460億円の剰余金を出した粉飾決算で、元頭取大野木克信、元副頭取の鈴木克治、須田正己の三人が逮捕された。本書は長銀(日債銀も含む)が破綻し立件されるまでの死の道を追ったドキュメンタリーである。著者は共同通信社で、これまでに見たこともないワードが現れる。そのワードはこれだ。伊豆シャボテン公園、ミリアセンダイゴルフクラブ、フォンテンヌブロウ社、いずれも融資絡みで不良債権となるものだ。さらには隠蔽マニュアルの存在。真相は当事者にしか分からないので鵜呑みしてはならないのだが。2019/02/27