内容説明
人類に原子力時代をもたらした先駆的女性科学者の闘いと苦悩。キュリー夫妻の長女として、ノーベル賞受賞者として、時代の荒波に立ち向かった偉大な科学者の知られざる生涯を軽快で華麗な筆致で追った傑作伝記。仏メゾン・ド・ラ・プレス賞受賞。
感想・レビュー
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卯月
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大学図書館で読み、後日古本購入。マリー・キュリーの娘イレーヌの伝記だが、同時にマリーの伝記。二人とも科学者で、科学者と結婚し、二人の子供を産み育てる。ノーベル賞受賞者マリーを(後年イレーヌも)科学アカデミー会員に当選させない仏物理学会。マリーを外国女と攻撃する新聞。一次大戦中マリーとイレーヌはX線車で前線を巡回し、後年放射線障害で苦しむ。フレッド、イレーヌ夫妻による人工放射能の発見は後の原爆に繋がり、核の平和利用を訴える科学者たち。しかし冷戦は、フレッド(共産党員)とイレーヌを排斥せんとする。激動の歴史。2015/08/23