出版社内容情報
「認知症は絶対になりたくない病気」というネガティブな気持ちを高齢者がもつだけでなく,認知症になった本人やその介護家族をはじめ,ケアスタッフや介護・看護などの医療職も,認知症に対してネガティブなイメージを抱いてしまっています.
本書は,認知症の理解やケアにポジティブ心理学の考え方を取り入れることで,そうした認知症に対するイメージをポジティブなものに変えていくこと,認知症に対する見方を180°変えていくこと(「認知症になれるまで長生きできてよかった」)を目指すものです.
認知症という病気だけに目を向けるのではなく,認知症の人を支える側が認知症の人の気持ちを正しく理解してポジティブに接し,大変な中にも小さな幸せを見つけることで,認知症があっても役割や生きがいをもち,本人が住み慣れた地域で明るく穏やかに暮らし続けることにつながり,本人を支える家族や介護スタッフの負担の軽減にもつながることを紹介します.
介護が「認知症の人に〇〇してあげる」から,「認知症の人と〇〇する」になり,さらに「認知症の人が〇〇する」という本人主体のものへと進化している中,豊かな老後の暮らしを自ら考え,社会に貢献しながら生きがいを感じつつ,笑顔で生ききることを願う方々や,認知症の人を支える介護家族,そして,彼らをサポートするすべての医療・ケアスタッフ必読の書となっています.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
1
発想を変えるだけで、そこまで認知症をポジティブに捉え直すことができるのか?という一抹の疑問を感じたが、概ね興味深く読めたし、発見もあった。ただ、その一方でやはり、全ての人間がポジティブな方向へと発想を転換させることができるわけではないし、実際加齢による鬱が発症するという事実があるわけで、その辺りを突っ込んで語って欲しかったという不満は残る。また、認知症になるまで長生きできたというのは幸せという考え方はありだが、介護保険のあり方や介護の現場の過酷さををどう考えているのか?という点についても疑問が残った。2020/12/03
okatake
1
認知症、病気や障害は誰でもなりたくはないとは思いますが、その中でももしかしたら一番なりたくないものかもしれません。でも、内心皆、自分も将来なるかもしれないと思っている第一の疾患かも。 長年認知症の人と関わってこられた山口先生の著作です。 ネガティブに捉えられている認知症をポジティブに捉えて、生活、介護をしていこうという観点で書かれています。 もちろん、この本を読んだからと言って、すべてポジティブとはなりませんが、認知症とは何か。どうなっていくのか、どう接することが良いのかヒントが散りばめられています。2019/10/24
asidd
0
とにかく自分を大切にし、 今を生きる。 回りに感謝、運動 利他主義 楽観主義 が大切だと。 認知症のかたにいろいろとやってもらうこと。 回りの理解が必要なことが書いてあった。しかし、特に施設やデイサービス等はケガのリスク高い。 また訴訟リスクも高いのでそういったことは中々難しいのではないか社会が変革しない限り。 せんべいを詰まらせて最高裁までいくような国では2020/10/29