内容説明
肌着のメーカーとして知られ、ペットボトル飲料のプラスチックフィルムから再生医療まで幅広く展開する「グンゼ」。その企業を創業した波多野鶴吉(1858~1918年)は、「地域との共存共栄」を理念に掲げ、幕末に疲弊していた地域を再生した。8歳で養子に出され、23歳で破産。創業後も洪水、火災、恐慌に遭いながらも、くじけることなく、工女を一人の人間として扱い、養蚕農家を繭の買い入れと株式で豊かにした。本書は、没後100年が経った今も、京都府北部・綾部市で尊敬を集めながら、全国的にはほとんど知られていない「明治の巨人」鶴吉の、生涯と経営思想をたどるノンフィクショである。
目次
第1章 幕末に生まれ、明治へ
第2章 失意の帰郷、運命の出会い
第3章 創業、試練と絆
第4章 飛躍、そして最大の危機
第5章 栄光の日々は過ぎて
対談 「渋沢栄一と波多野鶴吉」(京都産業大学教授・松本和明/京都新聞記者・八幡一男)
補章 現代のグンゼ
インタビュー グンゼ株式会社代表取締役会長・廣地厚
著者等紹介
八幡一男[ヤハタカズオ]
新聞記者。1974(昭和49)年、大阪府四條畷市生まれ。大阪市立大学卒。97年、京都新聞社入社。京都府・滋賀県の総局、社会報道部、文化報道部などを経て、2017年に綾部支局長に。18年10月~20年4月、京都新聞朝刊の丹後中丹版(地方面)で「グンゼ創業者波多野鶴吉をたどる」を隔週で33回連載した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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