出版社内容情報
移民・難民は、いかにして福祉国家に包摂されうるのか?
人種的に同質性が高く、移民や難民の受け入れに消極的と言われるデンマーク。しかし近年ではヨーロッパ統合とグローバル化の影響で多文化化が進み、福祉国家としての再編が迫られている。市民社会と協働するデンマーク流の生涯学習政策は、国境を越えて移動する人びとの「入口」を準備できるのか。「社会統合」をめぐる政治思想を再検討し、生涯学習の現代的意義と課題を明らかにする。
「新しいデンマーク人」のための多様な教育実践に迫る――
内容説明
人種的に同質性が高く、移民や難民の受け入れに消極的と言われるデンマーク。しかし近年ではヨーロッパ統合とグローバル化の影響で多文化化が進み、福祉国家としての再編が迫られている。市民社会と協働するデンマーク流の生涯学習政策は、国境を越えて移動する人びとの「入口」を準備できるのか。「社会統合」をめぐる政治思想を再検討し、生涯学習の現代的意義と課題を明らかにする。
目次
序章 本書の目的
第1部 多文化化する社会におけるコミュニタリアニズム思想の応用可能性(コミュニタリアニズムとは何か;学習の「個人化」;社会統合の規範理論)
第2部 欧州連合とデンマークにおける生涯学習政策の実際(欧州連合の生涯学習政策―雇用力とアクティブ・シティズンシップの両立;現代デンマークの生涯学習政策;スキルとモラルの二重性―教育のヨーロッパ化は何をもたらすのか;現代デンマークの社会統合政策)
第3部 現代デンマーク社会におけるボランタリーセクターの機能(デンマーク・ボランタリーセクターの現在―「共同責任」と「生活の質」;デンマーク・ボランタリーセクターの個人―フレデリクスベア市におけるボランティア活動の実際;現代デンマーク社会におけるボランタリーセクターの機能と役割)
第4部 現代デンマーク社会におけるノンフォーマル教育機関の役割(デンマークのノンフォーマル教育機関―ダウホイスコーレの事例;デンマークのNGOによる難民に対する成人学習の支援―トランポリンハウスの事例;社会統合における主流化アプローチ)
終章 考察と課題
著者等紹介
坂口緑[サカグチミドリ]
明治学院大学社会学部教授。専門は、生涯学習論、市民社会論。2000年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得満期退学、2023年日本女子大学大学院人間社会研究科教育学専攻博士課程後期修了。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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