内容説明
70歳の著者は、「高校無償化」適用を訴える旗を手に、日本各地にある67の朝鮮学校を訪ね歩いた。その距離1100キロ。初めてのタブレットで撮った写真と、道中で出会った人びととの交流と発見の記録。
目次
1 朝鮮学校を歩く(無償化の旗の威力を知る(九州~中国~四国~近畿)
これまた感動のオモニ会(中部~関東)
日本の司法が死んだ日(近畿~中部~関東)
在日一世の顔が浮かぶ(中部~関東)
流した汗は半端ない(関東~北海道~東北~関東)
「高校無償化」裁判について)
2 支援する人びと(日本各地で展開する朝鮮学校支援の運動;最前線に立ち続けるオモニ会;東京朝鮮第九初級学校「サランの会」;韓国のモンダンヨンピルとの出会い)
著者等紹介
長谷川和男[ハセガワカズオ]
1947年1月22日生まれ。三鷹四小、三鷹三中、都立富士高等学校、東京学芸大学A類理科卒業。調布市立杉森小学校(7年)、調布市立国領小学校(10年)、杉並区立堀之内小学校(13年)、杉並区立踏掛小学校(5年)、杉並区立「さざんか教室」(5年)。「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会共同代表。阿佐谷朝鮮学校「サランの会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nさん
4
1947年生まれの著者が「朝鮮学校にも高校無償化を!」を旗印に、全ての朝鮮学校を訪問した。その活動日記だ。ご高齢ながら、在日朝鮮人のネットワークの助けも借りつつ、精力的に活動している。著者は訴える、「なぜ朝鮮学校だけが無償化の対象外なのか?」と。裁判では「朝鮮総連との繋がりに疑義をもつこと」を理由に、無償化から排除されている模様。彼ら民族の不条理な生い立ちと、屈託のない子供たちの姿を見ると、寛容な姿勢を求めたくもなる。写真豊富な内容だが、朝鮮学校が「何」を教えているのか?そこまで伝われば尚良かったと思う。2019/08/17
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1
内輪感の強い造りなのが残念。留保なく関連する教職員組合等の団体の名前が前面に出され、一般読者はついて行けなかったと思う(私は「こっち側」の人間なのですんなり読めたし、著者は正直だなとも思ったが)。こちら側の人間一般に言えることだが、どれだけ苛酷でも、ほんとうに人民大衆の中に分け入って考えを広める心構えを再確認した方が良い。その点、この本は、知り合いの活動家の誰誰が…という話があまりに多く、実際のところ内輪向けの本だったのだろう。それに文句を言うのも野暮かもしれない。朝鮮学校という題材はよかったです。2019/10/30