内容説明
平和的解決の道はあるか?南シナ海を沿岸国の「共通の庭」と提言した著者の真意は?中国の南シナ海問題の第一人者による中国の立場・見解の全容の解明。
目次
第1章 紛争の起源
第2章 中国の主権:歴史的根拠
第3章 中国の主権:国際法的研究
第4章 中国とベトナムとの紛争
第5章 中国とフィリピンとの紛争
第6章 マレーシア・ブルネイとの紛争
第7章 21世紀の南沙紛争、波高し
第8章 「仲裁裁定」後の南海問題の行方
著者等紹介
呉士存[ゴシソン]
1957年、中国江蘇省生まれ。2004年より中国南海研究院院長となり現在に至る。南京大学中国南海研究協同創新センター副主任、ボアオ(博鰲)アジアフォーラム研究院副院長を兼任。歴史学博士。専門は、南海、海洋法律、地域安全保障問題、中国とベトナムのトンキン湾境界線画定交渉にも携わり、南海問題関連の研究プロジェクトを多数主催
朱建栄[シュケンエイ]
1957年、上海生まれ。中国・華東師範大学外国語学部卒、1992年、学習院大学で博士号(政治学)を取得。1986年に来日し、学習院大・東京大・早稲田大などの非常勤講師を経て、1992年、東洋女子短期大学助教授、1996年より東洋学園大学教授となり現在に至る。その間、2002年、米国ジョージ・ワシントン大学(GWU)客員研究員、2007年、英国ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
12
著者は南シナ海問題研究の中国側の第一人者。訳者がテレビの討論番組で声高に南シナ海での中国の立場を主張する根拠が本書に書かれている。中国側にとって都合の良い史料や言説を積み重ねた芸術作品といった趣きではあるが、日本も含めた周辺国が作成した古い地図から、かつて南シナ海は中国に帰属すると各国が認識していたのは事実。南シナ海は周辺諸国共通の庭と著者は述べるも、中国の軍事施設化への懸念を払拭させる説得力は無し。工作としての意味合いでは効果は薄い。そもそも、すすんで本書に手を伸ばす人がどれくらいいるだろうか?^^;2017/06/08
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