内容説明
国際テロ集団の温床・拠点となったパキスタン部族地域。パキスタンの歴史と政治土壌と部族地域に対する政策の限界。パキスタンはどこへ行く。頻発する要人暗殺、核保有国、裏でタリバンとつながる軍情報機関…。インドとの分離独立というパキスタンの特異な成り立ちと、それが国際テロに関わっていく複雑な過程を解明し、世界の安定の鍵を握るパキスタンの可能性と、国際社会ならびに日本の外交課題を直言。
目次
第1部 パキスタン社会(パキスタンという社会;政治・軍・経済;連邦直轄部族地域)
第2部 国際テロをよびこむパキスタン(アル・カイーダ、タリバンと連邦直轄部族地域;利益集団化する軍とISI;部族地域における過激派武装組織の系譜)
著者等紹介
水谷章[ミズタニアキラ]
一橋大学大学院法学研究科教授。1957年、愛知県生まれ。1980年一橋大学法学部卒業、外務省入省。在ドイツ大使館一等書記官、外務省領事移住部邦人保護課長、内閣参事官、在トルコ・在ドイツ・在パキスタン各公使などを経て、2009年より一橋大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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可兒
2
南アジアの西の火薬庫パキスタン。国の成り立ちから軍事優先な気風とテロの連鎖のかかわりまで、ざっとからげて概説。世界の安定のカギはともかく、不安定へのカギは確実に握っているパキスタンのことを心に留める商社マンが増えることを望む。日本に残された課題は多く、耳を傾けるものはますます少ない。2011/07/26
メルセ・ひすい
2
15-40 近世における悲劇、植民地主義の犠牲者。インド独立、インドから「国を割って出た」側がパキスタン、イスラム教徒の比較的豊かな民。それが軍は全てに優先!思想。米国支援のジハード戦士の養成こそ、国際テロ組織の養成!キリスト教的人間中心主義の破綻とイスラム。兄弟宗教っユダヤ教発⇒キリスト⇒イスラム教のジレンマ。。インドとの分離独立というパキスタンの特異な成り立ちと、それが国際テロに関わっていく複雑な過程を解明。世界の安定の鍵を握るパキスタンの可能性と、国際社会ならびに日本の外交課題を直言する。2011/06/05
midnightbluesky
1
今のパキスタンを知る上でかなり詳細。混沌としたパキスタンは報道されるが、「なんでそうなったの?」という疑問を解くヒントがある。2012/03/11
Jurisa_kt
0
元パキスタン公使ということで、やはりパキスタンを擁護する見方が多く、周りの情勢、特にインドに攻められたくないから仕方なく色々な選択をしてきたのだという事情を説明したいのかな、という印象を持ちました。難民という言葉は出てきましたが、そこに住む国民の人達については一切触れられていないので、パキスタンの現状を理解するにはこの本だけでは足りないと思いました。2016/06/01
Kenji Suzuya
0
パキスタンの政治的特徴、特にテロ情勢とのかかわりを紹介する。ただしほとんどは他数冊の洋書の受け売り。また、パキスタンについて論ずるにはタリバンについての記述が多すぎる。2014/07/02