内容説明
人類がパートナーとして最初に選んだオオカミは、乏しくなった獲物をめぐって争わなければならない相手でした。天敵の利用はここから始まる。つくられた敵のシンボル操作こそ、レーニン主義をも含むヨーロッパ文明のエッセンスである。冷戦の終結とともに、その近代文明も終末を告げている。
目次
第1章 冷戦とヨーロッパ文明(オオカミを飼いならしたヨーロッパ文明;冷戦―天敵を利用し合った新システム;石油文明と「新しい天敵」の創造)
第2章 悪魔と共存したヨーロッパ(十字軍・ペスト・魔女狩り;ルネッサンス・宗教改革・近代文明;観念論者マルクスと唯物論者スミス)
第3章 現人神・レーニンの謎(ロシア革命はなぜ泥にまみれたのか;ドイツの期待を踏みにじったレーニン;レーニン主義とはいかなる現実か)
第4章 自己回復力をとりもどす道(地球をおおう「暴虐の時代」;スタグフレーションがはじまった日本;日本の国際責任を考える)
補論 社会を「富」の存在形能として解明する―本書の方法論について