内容説明
女性の目を通して中国庶民の生活、風俗、人情をきわめて細やかに描く。平易で現代的な言いまわしの豊富な文章は、中国語初級から中級レベルの学習に最適。NHKラジオ講座テキストに連載。
目次
北京の四合院を懐しむ
思いがけない出来事
屈原と端午の節句
2人の母
中秋節の一家団らん
北京の物売りの声
我が恩師
越冬(冬ごもり)
結婚
北京銀座―王府井
嫁・姑の間柄
胡同(横丁)のまち北京
継母
近くて遠い町・北京と天津
盛夏
清華ゆ
彼女は本書に幸福になれるのでしょうか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hatann
2
左ページが中国語、右ページが日本語という語学教材。しかし、1982年から85年にかけてのNHKラジオ講座テキストに連載された中国人講師の巻末エッセイを纏めたものであり、改革開放路線直後の北京の生活状況を読み取ることができて非常に面白い。文化大革命時代の素描にもぐっと踏み込んでいる。中国残留孤児について語るところに時代を感じる。胡同の下町人情のあふれる世界もあれば、文化大革命直後の人心の急激な変化にも触れられており、決して一律でない人々の生活の息吹といえる。できれば同じ時代における農村の記録も読んでみたい。2018/06/20