内容説明
修練の果てに得た夢幻の美とわざ。名人・友枝喜久夫の能は、八十にして、なお、ういういしく、見る者に感動を与えずにはおかない。その魅惑の本質を吉越立雄と大倉舜二の写真を加えて、白洲正子が書き下すひさびさの能芸論。
目次
老木の花(白洲正子;撮影・吉越立雄)
よもやま話(友枝喜久夫;白洲正子)
舞に明け舞に暮れる(白洲正子;撮影・大倉舜二)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋津
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白洲正子さんと能の名手友枝喜久夫さんとの交流の断片。遊女や老武者、天人など様々な役を「ひたすら己れを虚しうして稽古に打込」み、「藝」より深いところに訴えかけ、観能の経験がないであろう「原宿あたりを歩いていていても不思議ではないような女の子」(この表現に少し笑ってしまいました。)のような人をも感動させる名人が存在したことを知りました。白洲さんの興奮を抑えきれないような文章や舞台の写真はもちろんですが、最終ページに掲載されている、友枝さんが日課とされていた散歩の写真がよいなと。2016/08/29
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