感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
月音
5
漆黒の背景に浮かび上がる彫刻、絵画、工芸、書、考古。名称や解説は巻末にまわされているので視界に余計なものが入らず、まずは虚心に作品に向かう。肩書をはずされ、図録についてまわる研究史料という権威からも解放された品々は、ただ美しさのみを湛えてそこにある。全体像、多角的な視点より、細部にこだわった大胆な接写とトリミング。限られた空間・時間の中では気づかなかったもの──素材の質感、布の織り目、色彩のグラデーション、木の年輪に、傷や腐蝕、退色も、自然と人、時がまじりあい、今も作りだし続ける表情と見えてきた。⇒続2025/09/06
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