内容説明
「落選の神様」と言われても諦めず、精進しつづけ花開いた、求道の日本画家・片岡球子。103歳の長き生涯を一心に歩んだ女の、ダイナミックで温かい、魂の言葉!
目次
1 精進
2 祈り
3 自然
4 一途
5 面構
日本画ひとすじ―対談(片岡球子×瀬戸内晴美(寂聴))
著者等紹介
片岡球子[カタオカタマコ]
1905(明治38)年、北海道札幌市に生まれる。1922(大正11)年に札幌高等女学校(現・札幌北高等学校)本科を卒業後、1926(大正15)年に女子美術専門学校(現・女子美術大学)日本画科高等科に入学し吉村忠夫に師事する。卒業後は小学校の教師で生計をたてながら制作した。1927(昭和2)年、師に無断で帝展に出品し落選。その後も落選が続く。日本美術院展への出品を師に相談したところ破門されるが、傷心のなか制作した“枇杷”が院展に初入選を果たす。1989(平成元)年、文化勲章を受章。2008(平成20)年、103歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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量甘
9
数年前、東京国立近代美術館で開催された「片岡球子展」を観たとき、その迫力に圧倒された。「落選の神様」と言われても諦めず、精進しつづけ、『絶望ではない。渡ってやろう。』の言葉は勇ましい。力強い作品を描ききった原動力が言葉となって伝わってくる。後半の瀬戸内寂聴さんとの対談は、とても興味深かった。2017/12/26
Humbaba
4
時間が経過すればそれだけ年をとる。それ自体は自分の意志によって変えることは出来ない。しかし、自分のことを年寄りとして認識するのか、それともまだ若いと認識するかは自分の意志次第で変更できる。自分の心を若く保つ事ができれば、それによって行動も変わってくれる。2017/12/20
ハル
1
北九州市立美術館であった、片岡球子の展覧会、面構えに行った時にこの本を購入しました。 103歳まで生き、99歳の時に描いた絵も展示してありました。力強く大きな絵で、魂の映画でした。 小学校の先生を30年もされていて、芸術家だけれど、ちゃんとした社会人でもあったのだなと思いました。 この時代の女性のキチンとした仕事といえば教職だったのかなとも思いました。 実際に本物の絵を見ると元気が出ました。 機会があるならば、本物の絵を直に見ることをおすすめします。2023/05/23
miura
1
高齢になった後も「描くたびに新しい発見を身につけて、一作一作新鮮で若々しい作品をつくっていくのだ。」という姿勢に感銘を受けた。2022/09/06