内容説明
日本近代美術史のなかでも突出した存在である、明治期の洋画家青木繁。その“海の幸”“わだつみのいろこの宮”などの作品とラファエル前派や世紀末美術などの海外美術のかかわりを考察しながら、「日本」や「西洋」という枠組みを越えた世界美術史的観点から、新鋭の研究者が青木繁の作品を解釈する。
目次
第1章 青木繁とその評価
第2章 青木繁の構想画に見る壁画的性格
第3章 デッサンから見る海外の美術作品との交流
第4章 青木繁とラファエル前派
第5章 藤島武二・青木繁と世紀末美術
第6章 “旧約聖書物語挿絵”に関する一考察
第7章 晩年における青木繁作品
著者等紹介
高橋沙希[タカハシサキ]
1986年、奈良県に生まれる。2011年、関西大学大学院文学研究科博士課程前期課程総合人文学専攻修了。2014年、関西大学大学院東アジア文化研究科博士課程後期課程文化交渉学専攻修了。専攻、日本美術史。博士(文化交渉学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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菊川ねこじ
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青木繁のことを研究する人がいろいろ居るなかで、独自の切り口で彼の絵や表現を考察していく研究書。でも、この著者も青木繁に惚れちゃったんじゃないかな~。そういう感じを文章のところどころに感じる。でもそれっくらいの距離がちょうどいいかも。危険な男だからね~。内容は大変勉強になりました。表現するのはシンドイことだから、精神的に余裕がなかったときはいいものはできなかったんだと思います。だから、海の幸、わだつみ、は、比較的幸せな時期のものなんだと思います。晩年の作品は寂しいですね。できるならそばに居てあげたいです。2022/03/10