内容説明
千年を超えるロングセラーの『源氏物語』全54帖をかんたんにたのしく読み通す。『源氏物語』講座のベテラン講師が、わかりやすい文章で意訳・解説。古典の原文の一部を格調高い谷崎潤一郎訳をつけて紹介。個性豊かな男君・女君の魅力がよくわかる。
目次
幼くして死別した薄幸の母・桐壺更衣―ヒーローの条件「母の不在」
母と生き写しの女性・藤壺との出会い―母恋いから禁断の恋へ
光源氏と良きライバルの頭中将―男四人寄ったら女の話
人妻の鏡?光源氏になびかない空蝉
親近感で男を惑わす無邪気な夕顔―男がつい守ってあげたくなる女性
光源氏の正妻・葵の上―夫に冷たいのには訳がある
光源氏好みの女性に育てられた紫の上―彼女は本当に幸せだった?
かつての不美人、末摘花。二十一世紀なら世界的ファッションモデル!?
六十を過ぎて光源氏に色目を使うあっぱれな老女・源典侍
アヴァンチュールのスリル感を楽しむ、大胆不敵な朧月夜〔ほか〕
著者等紹介
たつみ都志[タツミトシ]
谷崎潤一郎研究者、武庫川女子大学名誉教授、芦屋市谷崎潤一郎記念館元副館長。兵庫県文化功労賞受賞(令和元年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるま
17
初読作家 著者は日本近代文学の研究家でもあり、谷崎潤一郎研究家としても著名な方で、現在も精力的に活動をされているとのことで、その正統派は書かれた渾身の本作が面白くない訳がないじゃないですかね 僕自身もこれまでも意訳本やその類を読み漁ってましたが、ちょっぴり久々に読みました 言わずと知れた千年の時空を超える壮大な物語です 「不易流行という言葉があるでしょう。これは松尾芭蕉の言葉ですが、『源氏物語』には、それが全部書かれています。」〜巻頭文の一部編集しての引用 いやぁ ほんとに面白かったな 光源氏に憧れますね2023/10/22
もえ
14
友人にお薦めされ読了。著者のたつみ都志先生のオンライン講演を視聴する前の予習本としても、とても参考になった。源氏物語は大学時代に国文科の授業で断片的に習ったが、全編を通して読んだことはなく(谷崎潤一郎の訳本も途中で挫折)、本書を読むことで初めて大まかなあらすじと人間関係が掴めた。「還暦になったら『源氏物語』を読みましょう!」というたつみ先生の呼びかけの通り、源氏物語は歳を重ねてからこそ分かる、人生の機微と因果応報と儚さが詰まっている。この本には各章毎に原文と谷崎訳もあり、学生時代を思い出し懐かしく読んだ。2023/03/18
ず〜みん
5
光源氏の主な女人達と出来事を初心者でもわかるように噛み砕いて書いており、しかも和歌を挟んでいるので、どの巻の説明をしたかわかりやすい。ちなみに藤壺はそこまで詳しく書かれていない。2023/06/16
かが
4
千年を超えるロングセラーにして、日本古典文学の最高峰の『源氏物語』全54帖を楽しく読み通せる!2025/04/16
ますぞう
3
光源氏の三世代にわたるなが〜い物語をざっと知るにはちょうど良いボリュームと内容で楽しめた。光源氏の恋愛模様だけではなかったのね…。巻末の人物相関図も分かりやすく、画像にして保存。随分前に宇治の源氏物語ミュージアムになんとなく寄ったが、改めて行ってみたくなりました。今度はしっかり楽しめそう。2024/03/01
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- 和書
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