内容説明
往復書簡から明らかとなった川端康成と東山魁夷の魂の交流。美を愛して止まない川端の美術コレクションや国民画家東山魁夷の作品のほか、初公開となる東山の美術コレクションや新発見の川端コレクション、日本が誇る小説家川端の文学にまつわる貴重なエピソードなど大満足の充実度。どこから読んでも楽しめる決定版!
目次
第1章 川端と東山 魂の交流
第2章 川端コレクション
第3章 川端文学
第4章 東山コレクション
第5章 東山のスケッチ
付録 フォト・エッセイ 川端康成という森
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロコ
18
先日読み終えた本と、出版社も同じであり中の絵や写真には重複も多かったのだが、文章の多いこと!川端康成が如何に美術に造詣が深く色んな人と交友していたかがよくわかる一冊であった。川端康成について、多くの人が語り、川端康成が多くの人と書簡で語る。そして東山魁夷の誠実さ、朴訥さも伝わってきた。互いを尊敬し慈しむ関係の素晴らしいことよ。先に読んだものよりこちらの方が好きである。文末でこの本が川端康成と東山魁夷のコレクション展の為に作られたものだと知る。今年も開催があるらしい。是非とも行かねば。2015/02/11
breguet4194q
5
東山魁夷フリークとしては絶対にはずせない一冊。どちらかというと川端康成寄りの内容になっていますが、知られざる二人のエピソードも掲載されてて、読みごたえは抜群です。2019/12/18
きさらぎ
5
姫路で展示を拝見したが、充実した図録といった体裁の本。川端&魁夷の展示に足を運ぶのは二度目で、前回も本を買ったので既読の文章も多かったが、魁夷以外の交流に触れる部分も多く、改めて川端の美意識や生身の姿に触れる思い出しみじみと読んだ。川端の愛するモノやヒトたちをこれだけたっぷり堪能できるのは幸福なことだと思う。写真家が美術品を眺める川端について「怖くてとてもそばに寄れない、シャッター音をさせるのが悪い気がしてしまう」と語るのが印象的。魁夷との交流は互いへの想いがとにかく温かく切なくて読むたびに泣いてしまう。2019/10/28
てんちゃん
5
私にとって、美術館の思い出と対になっている本。大切にゆっくりと読了。川端ファンの私にはたまらない一冊だった。彼の美しいものに対する曇りのない眼。肩書きによらず自身の眼だけで美しいもの、力を秘めたものを選びだす純粋な精神に心がうたれた。同じく日本の美を愛するものとして、東山との純粋な豊かな交流。年齢や立場を越えて互いに敬意を抱くその関係性の美しさ。川端の死後に東山が寄せた追悼文は川端の死を嘆くよりもその生に思いを巡らせ称えたもので、川端を師と慕いつつ良き友人でもあった彼だからこそ描くことのできた美しい2015/04/22
葉芹
5
図書館に改めて感謝。2700円もするんです。東山画伯は近くに東山魁夷美術館があるのでしょっちゅう触れている気がしてわくわく。川端氏、殆どが二十歳前後に読んだためか記憶が曖昧で、果たしてちゃんと読んだのかと懐疑。是非また読もう。それにしても川端氏の美術の審美眼は神です。見入りました。2014/07/08