目次
ギフティッド児・成人ギフティッドの特性
ギフティッド児と成人ギフティッドの誤診と重複診断
注意欠如・多動症
怒りの診断
観念性疾患・不安症群
気分(感情)障害
学習障害
睡眠障害
アレルギー、喘息、反応性低血糖症
嗜癖性障害群
ギフティッド児や成人ギフティッドが抱える対人関係の問題
診断のプロセス
ギフティッドの行動特性と病理学的行動との識別
ギフティッド児・成人ギフティッドのための医療機関、カウンセラーを見つける
著者等紹介
角谷詩織[スミヤシオリ]
1974年長野県に生まれる。2002年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了。現在、上越教育大学准教授。博士(人文科学)。専門は発達心理学・教育心理学。論文『中学生にとっての部活動・総合的な学習の時間の意義―発達段階―環境適合理論の観点から』(公益信託、平成16年度後期小貫英教育賞心理学部門受賞、2005年)『論理的説明力育成を通した学習理解・人間理解の促進』(博報財団、第2回児童教育実践についての研究助成優秀賞受賞、2007年)など
榊原洋一[サカキハラヨウイチ]
1951年東京都に生まれる。1976年東京大学医学部卒業。現在、お茶の水女子大学名誉教授。博士(医学)。専門は小児科学・小児神経学・発達神経学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐっち
31
息子及び自分が発達障害かも?といろんな本を読んだが当てはまるところも当てはまらないところもあり、結局グレーゾーンかよと思っていたが、この本が一番症例がしっくりきた。発達にデコボコがあり、激しさと繊細さが同居。すぐに怒り出すかと思えば、服のタグを嫌がったりする。興味が湧かない場面では落ち着きがないが、興味に合った環境なら集中して取り組める。クラスに1~数名の頻度でいる「マイルドリー・ギフティッド」。何といっても呼び名が気に入った。診断されたわけではないけど、これかもと思うと心穏やかに過ごせそうです。2019/12/21
Francis
9
ギフテッドについて心理学者、小児科医、教育学者たちが臨床経験を踏まえて書いたもの。ギフテッドは高知能だが、能力が常人とかけ離れているがゆえに発達障害やその他様々な精神疾患と誤診されやすく、ギフテッドに必要な教育的配慮を受けられない人も多いとの事。世間ではギフテッドは天才児としてもてはやされているが、多くのギフテッドはむしろ大変な苦労を強いられているのではないだろうか。誰もがビル・ゲイツ、ウィンストン・チャーチル、アイザック・ニュートン、アルバート・アインシュタインになれるわけじゃないんだから(^^;2024/12/23
luckyair
5
網羅性は比較的高いが、やや教科書的な内容か。これを読んだからといって、実際の場で対応できるわけではないが、少しは足しになる。やはり臨床経験は重要だが、所々にある具体的事例をしっかり自分の中に取り込むことで学びの深さは変わってくる。★★★2022/08/13
いとう
4
知的発達症は、知的機能が-2SD以下であることを基準とし、ギフティッドは+2SD以上の知的機能を有する者と定義される。前者には、実用的、概念的、社会的な適応に困難を伴いやすいとされるが、後者であるギフティッドには、どのような障害性や困難性が認められるのだろうか。 『ギフティッドの子どもたち』(集英社新書)では、ギフティッドの子どもたちが困難を契機として受診あるいは支援要請(受援)行動に至るケースが多いことが指摘されている。2025/04/22
ねこぽん
3
副題にあるように「ギフテッド」が発達障害と誤診される場合がある事実について、理解することが重要です。発達障害と誤診される他の状態として、最近では「発達性トラウマ障害」も知られるようになっており、いずれも「人」をより良く理解するためには欠かせない知見であると思います。2025/04/02