目次
第1章 「社会調査」という違和感(はじめての社会調査;講座による社会調査 ほか)
第2章 フィールドでの出会い―私はあなた方のことをどのように呼べば良いのだろうか?(日本のエスニシティ研究における“出会い”;“出会い”以前の問題 ほか)
第3章 フィールドでの恋愛(恋愛とは;社会調査やフィールドワークにおける恋愛の可能性 ほか)
第4章 “出来事”の生成―幼児同士の「トラブル」に見る説明の妥当性について(肉眼がとらえた“出来事”;録音・録画された“出来事” ほか)
第5章 フィールドワーカーと時間(渡邊・佐藤論文における「視点」の問題;フィールドワークにおける「視点」の問題 ほか)
著者等紹介
宮内洋[ミヤウチヒロシ]
高崎健康福祉大学短期大学部児童福祉学科助教授。臨床発達心理士。専門社会調査士。日本学術振興会特別研究員DC1、琉球大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PD等を経て現職。これまでの著書(分担執筆)として、山田富秋・好井裕明編『エスノメソドロジーの想像力』(せりか書房,1998年)、志水宏吉編『教育のエスノグラフィー』(嵯峨野書院,1998年)、好井裕明・桜井厚編『フィールドワークの経験』(せりか書房,2000年)、無藤隆・倉持清美編『保育実践のフィールド心理学』(北大路書房,2003年)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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北風
13
(註:「フン!ヘンスィン!ヴァイスリャー!」の人とは全く無関係です。念のため) フィールドワークと言えば僕の中では、ナンシー関の「信仰の現場」程度の認識だったんですが、その多様性に驚きです。人間関係に深く切り込み、短いながらもあっさり読むことができました。文化人類学の本なんて、ほとんど読んだことがなかったですが、やはり食わず嫌いはいけませんね…。 オススメ度:★★★★☆2014/05/27
セイタ
2
再読!著者のフィールドワークでの事例が述べられている本。2時間強で読了。知り合いの学生にインタビュー調査という名の質的調査を行おうと思い、読んだ。今回もいろいろとためになった。例えば、「インスト」をしっかりと行うことの重要性を学んだ。調査票の順番通りにしない非「調査票主義」というスタイルもある。また、どのような「呼称」を用いるのかについても細心の注意を払う必要がある。また調査を進めていくうちに「呼称」と眼前の人々との間に、違和感を抱くことは不思議なことではない。2023/09/15
セイタ
1
著者が自らの経験をもとに、フィールドワークを行う上での注意点を述べてた本!ジャーゴンや難解な表現が多かったので、「偉い」学者が書いた上から目線の本かと思ったが、読み進めるうちに、そうではない事がわかった。著者の体験談が赤裸々に述べられている。その体験談から抽象化された教訓は非常にためになる。「フィールドワーカー」として生きていくことと「えらい教授」として生きていくことは両立することは難しいのであろう。2017/09/01
Yukako Uehara
0
誕生日プレゼントで頂いた本。 自分の「経験」を活かしつつも、遭遇した事のない物語りを目の当たりにしたら素直に「受け入れる」努力をしていきたい。 それが語り手の「ことばや文化」を奪わない事だと思った。2014/12/16
しゅん大
0
やや速読で読了。 フィールドワークの中での相互作用、在日韓国人の女性、農村部の高齢者との記述を頭の中で映像にしながら読むと、フィールドワークの中でしか生まれない感情を追体験できる。 基本的な社会調査の理論を最低限必要な分だけ含みつつ、「調査者と恋愛」「調査者の時間限界」などエッジのかかった鋭い記述をいれるなかで、フィールドワークの中での長所である対人関係については「レヴィンジャーとスヌークの対人関係モデル」の単純なモデルを用いて記述され、わかりやすく表現され全体のバランスが取れている。 一言でいうと「お2013/04/27