内容説明
この世の中が自分1人だけだったとしたら、何事も自分の思い通りになるとしたら、おそらく私たちはつまらなく、寂しくなり、すぐに息絶えてしまうのではないでしょうか。少し反語的な表現ですが、だれかと自分を比べ、確認し、常に補い合いながら安心を求めているようです。私たちは他人との結びつきの中で自分を感じ、自分を作り出しているのです。この本は、この視点から人の心や行動を全体的に考えるヒントとなることをめざしています。この本では、初版の方針をそのままもち続けています。「こころ」のもつ細やかなミクロさを、できるだけマクロな日常性の広がりの中で位置づけながら全体像としての人間や社会を考えるようにしました。
目次
1 私の中の世界(心と脳;知覚のプロセス ほか)
2 私らしさ(パーソナリティ;自己意識 ほか)
3 人と人との結びつき(対人認知;親しみのコミュニケーション ほか)
4 われわれの社会(集団と人間;住みやすい社会を築く ほか)
著者等紹介
大坊郁夫[ダイボウイクオ]
1947年北海道生まれ。1973年北海道大学大学院文学研究科博士課程退学。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授
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感想・レビュー
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きいち
19
公園で開かれていた古本市で手に取った心理学の教科書。編者の大坊氏は「しぐさ」や「化粧」についての研究のある社会心理学者、一度講演を聞いたことがあり心惹かれて買ってみた。どの章も日常的なところからスタートしてくれるのでとっつきやすい。◇各章はバラバラではなく、脳の仕組みのような生物的なところからはじまって、認知のしくみ、自我の発達、コミュニケーション、そして社会心理学と、外へ外へと広がっていくつくり。ストーリーが見えてるのでコマ切れに章が変わってもついていきやすい。◇心理学も、全体像がなじまない学問だなあ。2015/02/27
Sugar
1
アメリカ人は相手から独立していることが前提ですので「no」と言っても不快ではないが日本人はあいてのと繋がりを大切と考えてるので「no」と言えない。気を付けないと。2025/07/02