内容説明
本書は、日本的経営をライフサイクルの視点から俯瞰的に考察したものである。ライフサイクルの視点とは、特定の経営システムには一種の寿命があり、創成以後、環境に適応しながら成長し、次第に成熟し、やがて衰退するとの観点である。ただし、生物体の場合と異なり、経営システムの場合には、衰退から必然的に死滅するわけではない。ある段階に適切なイノベーションを行うならば、システムは蘇生し、再びさらなる成長・成熟のサイクルを反復することが可能であると考える。このような視点を俯瞰的に日本的経営に適用し、今日に至る日本的経営の変遷過程の全容を考察した。
目次
1 日本的経営をどのようにとらえるか―研究方法論
2 日本的経営の萌芽期―源流としての準戦時・戦時
3 日本的経営の模索期―ゆらぎと葛藤の1945~50年
4 日本的経営の形成期―3種の神器が出揃う1950年代
5 日本的経営の充実期―好循環による自己充実の1960年代
6 日本的経営の成熟期―石油危機を乗り切る1970年代
7 日本的経営の飽和期―グローバルな普遍性をめざした1980年代
8 日本的経営の転換期―新日本的経営の構築を迫られる1990年代