内容説明
戦前・戦後の学校教育において「愛国心」がどのように教えられてきたか―教材と儀式に即して明らかにしたわが国初の体系的「愛国心」教育史!教職員、学校管理者、教育行政担当者はもとより、日本の平和と民主主義を願うすべての人びとに贈る著者渾身の意欲作。
目次
第1部 戦前・戦後の学校教育と愛国心(教育勅語発布前の学校教育と愛国心;教育勅語と愛国心;固定修身教科書と愛国心;国史(日本歴史)と国語の場合
学校儀式と愛国心)
第2部 戦後の学校教育と愛国心(戦後教育改革と愛国心;戦後教育の再改革と愛国心;道徳の指導資料と愛国心;『心のノート』・道徳副読本と愛国心;社会科教科書と愛国心;戦後における学校儀式と愛国心)
おわりに 「平和的な国家及び社会の形成者」の育成をめざして
著者等紹介
藤田昌士[フジタショウジ]
1934年生まれ。1956年東京大学経済学部卒業。東京都大田区立大森第二中学校教諭(1962年3月まで)。1964年東京大学大学院教育学研究科博士課程中退。その後、東京大学教育学部助手、国立教育研究所員、福島大学教育学部教授、立教大学文学部教授、帝京平成大学情報学部教授等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
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戦前と戦後の「愛国心教育」の歴史的背景についてまとめた教育史の研究書。戦前は、教育勅語に則り、忠君愛国と称する愛国心教育であった。その目的は「皇運扶翼」のための国家への忠誠と服従であり、究極は天皇のために戦争で命を捧げることにあった。戦前の勅語体制はその思想統制が学校儀式の隅々に浸透して、戦争の為に死ぬ若者を作り出した。戦後の問題は、この勅語体制に関する反省が曖昧なままに推移したことにあるという。学習指導要領改定のたびに愛国心教育が強調され、防衛という名の下に再軍備を肯定する意識形成が目論まれる。続く2023/01/31