内容説明
「あがり」等によって試合本番で思う存分実力を発揮できない選手たちは、“こころ”と“からだ”の間に乖離が生じ両者の歯車が噛み合っていないと考えられるが、これは脳性マヒ児における“動作不自由”と類似した現象ではなかろうか。だとすれば、これを克服するためには、“こころ”と“からだ”の自己コントロール能力の改善をはかりながら、両者の不協和音を鎮め、心身のバランスを回復させるといった動作法独自の手法が極めて有効であろう。さらに、メンタル・リハーサル、メンタル・プラクティス等のテクニックを駆使していけば、ウォームアップ効果と集中力をいっそう高め、充実した心・技・体で試合に臨むことができよう。スポーツ科学の最先端で貢献する臨床動作学の新たな可能性について紹介する。
目次
第1章 スポーツ・トレーニングと動作法(体育・スポーツ・動作;動作イメージ・動作感;型作り・型崩し・型直し)
第2章 試合に備えて(スポーツ選手のためのメンタル・トレーニング;スポーツにおけるあがり対策―運動学的観点から;あがり対策として動作法を適用した事例;スポーツにおけるメンタル・リハーサル)
第3章 ケース・スタディ(野球選手への動作法;スキーと動作;槍投げ選手のための動作法;陸上選手に適用した動作法)
著者等紹介
成瀬悟策[ナルセゴサク]
九州大学名誉教授
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