内容説明
たのしいと人は参加する。また、必要に応じてサービス利用につないでもらえるシステムは魅力的である。たのしいこととつなぐことは、高齢者の孤立予防を実現する推進力である。そして、高齢者のボランティア活動においてはたのしさの共有が重要になる。たのしさの共有は共感と支持から構成されている。また、たのしさの共有の継続は困難であるため、共有の継続には集中と分散が必要になる。本書では、このことを長年に渡る大都市のコミュニティカフェの実践分析を通して実証的に明らかにしている。この成果は、新型コロナウイルス感染症拡大状況のなかで、さらに求められている高齢者の孤立予防対策にも、多くの示唆を与えるものである。加えて、本書では定性的(質的)データの収集方法と分析方法、そして理論の生成についても、執筆方法を中心に体験的に解説している。ぜひ本書を、定性的研究方法のガイドラインとして調査・研究の実施に活用してほしい。
目次
第1部 高齢者のボランティア活動とたのしさの共有(問題設定;高齢者の利用要因と利用に伴う変化;参加する住民ボランティアの継続要因;高齢者に参加とサービス利用を促す相互関係;新型コロナ感染拡大状況における変化;高齢者のボランティア活動におけるたのしさの共有)
第2部 高齢者のボランティア活動を対象とした定性的研究方法(データの収集;データの分析;理論の生成(執筆方法を中心に))
著者等紹介
村社卓[ムラコソタカシ]
1961年宮崎県生まれ。現在、岡山県立大学保健福祉学部教授。博士(社会福祉学)。社会福祉士。専門:社会福祉学ソーシャルワーク論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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