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内容説明
私たちは、どうすれば重度の知的障害を蒙っている人たちを理解することができるのだろうか、また、どうすれば彼らに寄り添うかたちで対話を生きることができるのだろうか。本書は、日本とドイツの研究者が共同して、現象学的方法にもとづいて丹念にとり組んだ障害児教育研究の成果である。第1部=理論編:重障児の現象学をめざして、第2部=事例研究:重障児との教育実践をめざして、という構成をとっているが、ここで展開される内容は、重障児に限られたことではなく、どのような人間関係にあってもあてはまることである。つまり、個々の重障児の間にも、重障児とわれわれの間にも、その存在の唯一性において根源的な違いがあり、この他者の実存を認めることによって、はじめてかけがえのない一人ひとりの人間への尊厳が育まれる、ということがメッセージとして示されている。
目次
第1部 理論編:重障児の現象学をめざして(知的障害者を一個の人間として認めることは何を意味しているか;重障児の教育学から重度に阻害された教師‐子ども関係の教育学へ;実存としての人間存在;世界と実存;身体による世界の構成;教育実践とその記述的解明)
第2部 事例研究:重障児との教育実践をめざして(課題設定;事例1:フェリックス;事例2:エレン)
フォルネフェルトにおけるエレメンタルな関係について
著者等紹介
中田基昭[ナカダモトアキ]
1948年東京生まれ。1974年東京大学教育学部卒業。現在、東京大学大学院教育学研究科教授(教育学博士)
ドレーアー,ヴァルター[ドレーアー,ヴァルター][Dreher,Walther]
1940年ドイツのバーリンゲン(バーデン・ブュルテムベルク州)に生まれる。1960‐1962年シュトゥットガルト教育学研究所で教師教育学を学び、小学校で2年間現場教師を経た後、1964‐1971年チュービンゲン大学で研究し、博士の学位を取得。1971年から4年間、日本の大学でドイツ語教師。1981年から現在に到るまで、ケルン大学知的障害者教育学の教授。1996年からは、ケルン大学特殊教育学部の学部長を兼務
フォルネフェルト,バルバラ[フォルネフェルト,バルバラ][Fornefeld,Barbara]
1954年ドイツのヴィリッヒ(ノルトライン・ヴェストファーレン州)に生まれる。1978年ケルン大学特殊教育学部を卒業し、1978‐1990年知的・重複障害児のための養護学校の教師となり、1989年博士の学位を取得。1990年から、ルートヴィッヒスブルク教員養成大学身体障害者教育学の教授。1993年から、ハイデルベルク教員養成大学重複障害者教育学の教授となり、1994年教授資格取得。1996年から現在に到るまで、ケルン大学知的・重度障害者教育学の教授
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