内容説明
学ぶ意欲を支えるために、一番大切なことは、内発的動機づけを高めることだったのだろうか?長年、教育現場では、内発的動機づけを高めることこそが、子どもの学習意欲を支えると考えられてきた。しかし、それは最善の策だったのだろうか?児童・生徒・大学生対象の統計データをもとに改めて問う。
目次
第1部 これまでを疑う(学習動機づけを考える;自己決定理論の光と影)
第2部 心を測り直す(もう一つの内発的動機づけ;自律的動機づけを規定するもの、自律的動機づけが予測するもの;自律性支援について;動機づけの自己調整方略との関係;相対化して見る動機づけの発達)
第3部 これからを描く(内発的動機づけ再考;学習動機づけの新しい枠組み;学習動機づけの新たな枠組みから、教育実践を考える;内発的動機づけと自律的動機づけの融合)
著者等紹介
速水敏彦[ハヤミズトシヒコ]
1975年名古屋大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。中部大学人文学部心理学科特任教授・名古屋大学名誉教授、教育学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コウメ
44
全ては理解することはできなかったが、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の大きな違いを学ぶことができた。/外発的動機づけの中に「ホメオスタシス性動機、性的動機、情緒的動機、社会的動機」などがあり人の基本的な動機は4つだけ思われたがそれでは説明できない動機が「内発的動機づけ」/「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の違いは「外発的動機づけ」は、何らの目的(報酬)のために行動が手段として、目的(報酬)を他の活動によって得れることができれば活動内容を変えれる。2020/08/25
りょうみや
24
動機・モチベーションに関して、内発と外発、自律と他律の2つの軸の組み合わせで概念を整理しなおした内容。やや専門的な内容だったが一般向けに書かれていて概念については納得できた。他律内発的動機が著者のオリジナル。教育心理学では生徒自らが自発的に学ぶ内発が非常に重視されているが、教育現場ではそればかりでは成り立たないと皆がわかっていることが問い直しの動機の一つらしい。2022/05/19