出版社内容情報
日常のストレスや苦手をうまく生かす認知行動療法を吃音のセルフヘルプグループのワークショップから学ぶ。吃音のセルフヘルプグループによる認知行動療法のワークショップの記録。思い込みや極端な考えのために一時的に見えなくなった自分にとって大切なものを見つけ直す方法がわかります。
まえがき 大野 裕
? 講義:認知療法の基本・面接 大野 裕
はじめに
1 認知療法とは何か
認知療法の基本
認知療法が注目されるのは
認知の二つの層
認知と気分の相互関係
行動が感情、認知を強める
不安障害
2 認知療法の面接
共感的姿勢
ソクラテス的質問法
歪んだ認知に問いかける(認知的再構成法)
面接の実際
質問
? 実習:認知療法の実践・ワーク 大野 裕
1 思考記録表(コラム表)
思考記録表――認知の修正のために、とにかく書いてみよう
ウルトラマン
書き出すポイント
特徴的な認知の歪み
根拠と反証を見つけ出す聞き方
コラム作り
質問
コラム作りの実際
思考記録表の演習の検討
2 社交不安障害
社交不安障害とは
安全確保行動
社交不安障害の認知療法のステップ
3 スキーマに挑戦(認知療法のゴール)――より自分らしい生き方へ
スキーマに気づく
スキーマのいろいろ
スキーマを変える
質問
? 対談:認知行動療法を吃音に生かす 大野裕・伊藤伸二
1 公開面接
2 対談
原田さんの公開面接について
なぜ認知行動療法に関心をもったか
いろんな治療法は、自分でできる部分がかぎられている
事例検討
3 質疑
? 認知行動療法と吃音 伊藤伸二
はじめに
1 吃音の問題とは何か
認知行動療法で吃音をとらえる意義
創造の病い
ほかの障害や病気とは違う、吃音の独自性
2 私の体験を認知行動療法で整理する
吃音をマイナスのものと受けとめ、悩みの世界へ
吃音の悩みからの解放
3 アメリカの吃音臨床
アメリカ言語病理学の論争
統合的アプローチ
吃音に対する認知行動療法的アプローチ
吃音氷山説
4 「生活中心主義アプローチ」の日本の吃音臨床の提案
生活中心主義と認知行動療法
日本の吃音臨床
吃音に悩む人のもちやすい非論理思考への論駁
5 セルフヘルプグループで認知行動療法に取り組む
ある日の大阪吃音教室(二〇一〇年十二月十六日)
女子高校生Aさんの話
参加者での話し合い
6 みんなで考えた、吃音に関連づけた認知の歪み
恣意的推論
二分割思考
選択的抽出
拡大視・縮小視
べき思考
極端な一般化
自己関連づけ
情緒的な理由づけ
自分で実現してしまう予言
おわりに
参考資料◇吃音を生きるために役立つ本 伊藤伸二
日本吃音臨床会の紹介
あとがき
大野 裕[オオノ ユタカ]
著・文・その他
伊藤 伸二[イトウ シンジ]
著・文・その他
内容説明
ものの見方や考え方のバランスをうまくとることで気持ちを軽くする!思い込みや極端な考えのために一時的に見えなくなった自分にとって大切なものをもう一度見つけ直す方法がわかります。
目次
1 講義:認知療法の基本・面接(認知療法とは何か;認知療法の面接)
2 実習:認知療法の実践・ワーク(思考記録表(コラム表)
社交不安障害
スキーマに挑戦(認知療法のゴール)―より自分らしい生き方へ)
3 対談:認知行動療法を吃音に生かす(公開面接;対談;質疑)
4 認知行動療法と吃音(吃音の問題とは何か;私の体験を認知行動療法で整理する;アメリカの吃音臨床;「生活中心主義アプローチ」の日本の吃音臨床の提案;セルフヘルプグループで認知行動療法に取り組む;みんなで考えた、吃音に関連づけた認知の歪み)
著者等紹介
大野裕[オオノユタカ]
1950年愛媛県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部精神神経科学教室に入室して精神医学の研修を受けた後、コーネル大学医学部、ペンシルベニア大学医学部に留学。留学中に認知療法に出会い、創始者のアーロン・T・ベックからも指導を受ける。帰国後、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、慶應義塾大学教授(保健管理センター)を経て、2011年6月より独立行政法人国立精神・神経医療研究センターに新設された認知行動療法センターのセンター長として着任
伊藤伸二[イトウシンジ]
1944年奈良県生まれ。明治大学文学部・政治経済学部卒業。大阪教育大学特殊教育特別専攻科修了。大阪教育大学専任講師(言語障害児教育)を経て現在、伊藤伸二ことばの相談室主宰。日本吃音臨床研究会会長。大阪教育大学非常勤講師、言語聴覚士養成の専門学校数校で吃音の講義を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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