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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanaoka 57
6
クリシュナムルティへの理解を深める事ができて興味深いのだが、この手の、思想家が語る平和の実現や教育の在り方、人間の自己変革により、社会は変革できる、というパターンは好きになれない。人間の本性を思慮すれば、あまりに理想的すぎる。例えば、義務教育という国家が主導する強制的な制度、学校という硬直的、保守的な組織、様々な利権、能力選別や就職等と切り離せない等の問題を前にれば、現実問題としての調整、妥協が必要な世界である。こんな言い方は誤解を招くだろうが、この手のものは個人の内面に留めるのが良いのではないだろうか。2016/10/21
isao_key
4
初期のクリシュナムルティの著書『Education and Significance of Life』(1962)の全訳。本書は現在廃刊だが『クリシュナムルティ教育原論』というタイトルで2007年に新訳されている。早くから教育現場での問題について提起していたことが分かる。教育に対する己の信念を述べた言葉が重い。「今日の教育は完全に失敗した。それは技術を不当に強調しすぎたからである。技術面の一方的強調は人間の破壊につながる」など、ヌサバウムが今指摘していることを、半世紀前にすでに大きな問題として捉えていた。2016/09/20
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