新宿二丁目の本棚 - クィア文化アーカイブへの挑戦

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  • サイズ 46判
  • 商品コード 9784760156863
  • Cコード C0095

出版社内容情報

性的マイノリティのPrideは歴史に裏打ちされている。だからこそ、その歩みを語る物を次の世代に伝えていかなければいけない。たくさんの「ホモ本」を集めた偉大なDQ(ドラァグクイーン)と、それを整理した人の奮闘の記録。どちらも尊い!
――三橋順子さん(性社会文化史研究者)

本が生きる限り人は死なない。快楽も、苦痛も、ひた隠しにした孤独も。あまねく本好きへ、この本棚は只事ではありません。
――児島青さん(漫画家、『本なら売るほど』)

■内容
未来に残す価値あるものと判断された資料でなければ、アーカイブにはならない。だから長らく、性的マイノリティに関する資料は価値あるものと見なされてこなかった。しかし、そんな中でも集める人はいた。

東京・新宿二丁目に、日本最大規模のLGBT関連資料の個人蔵書がある。持ち主は、日本におけるドラァグクイーンの草分け的存在、マーガレット(小倉東)。その数、2万点超。

だが2020年秋、マーガレットの突然の病気により、蔵書は存続の危機に立たされる。貴重なコレクションを救うため、整理ボランティアを買って出た著者。散らかった「紙の山」を「宝物」へと変えていく過程で気づいた、公共図書館にも大学図書館にもないアーカイブの魅力とは?

“私たちの挑戦がたとえ失敗に終わってしまったとしても、編みかけの糸を誰かに託すことができれば、その誰かがきっとつづきを編んでくれるはずだ。”(本文より)

性的マイノリティの歴史を、差別があったことを、執念深く集めた人がいたことを、忘れない。「はぐれ者の街」で生まれた、本と人をめぐるノンフィクション。

*本書には、「オカマ」、「ホモ」など現在では差別的・侮蔑的と見なされる語が使用されている個所があるが、当事者による意図・意思のある発話という文脈を重視して、そのまま掲載している。

■こんな人におすすめ
・書店や古書が好きな方
・アーカイブづくりの営みに関心のある方
・性的マイノリティや新宿二丁目の歴史、文化に関心のある方


【目次】

はじめに

1章 私はこうしてマーガレットと出会った
ドラァグクイーン・マーガレット/「弘田三枝子ナイト」の衝撃/小さな公共圏としての「オカマルト」/失意のなかで/「女帝」からのお願い/倉庫「アサイラム」に通うようになる

2章 「ブックカフェ・オカマルト」が生まれたわけ
ゲイの遺品、託されたものをつないでいく/僕は『薔薇族』を盗んだ/「これがカルチャーなんですよ」と言ってあげる/生きていく指針を失った時代/古本屋からブックカフェへ/はぐれ者たちのためのアーカイブ

茶話1 ゲイ雑誌の編集をはじめるきっかけとなった『サッシュのメイクの本』

3章 紙の山を宝物に変える
アーカイブづくりをはじめる/なにを目指して、どんな作業をするのか/資料IDと現状記録/アーカイブの基本の「キ」、それは目録/目録同士がつながれば、ネットワークができる/みんなでつくるアーカイブへ

茶話2 「ホモ本」収集に取り憑かれるきっかけとなった『Broadcast It』

4章 マーガレットの本棚
どのように分類すればよいか/分類という権力/あえて「誤読」してみせる/タグとキーワード/実際に分類してみる/タロット・カードとおせち料理/未発見の公共知

茶話3 最愛の人が遺した『100万回生きたねこ』

5章 あなたたちを忘れない
性的マイノリティは透明人間なのか/日本の性的マイノリティ・アーカイブの現在地/性的マイノリティのアーカイブはなぜ必要か/教育上の必要性/多様な知識の基盤を支える/人権を保護するためのアーカイブ/確かな判断基準の提供/記憶や文化的遺産の共有/書かれなかったことばにも思いを馳せる/生きているアーカイブ

茶話4 ある父親から託されたゲイ雑誌『アドン』

6章 アーカイブの展望を語る
途方に暮れ、整理をはじめる/店と本を介して人がつながる/この人に本を手渡す/横のつながりをつくる/価値の転換/歴史を継承する

おわりに
本が焼かれるところでは、いずれ人も焼かれる/こんな世の中で生きていくしかないなら/忘れないために、私たちはアーカイブを編む

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